【照会要旨】

 税制適格ストックオプションでは、1株当たりの権利行使価額について、付与契約の締結の時における1株当たりの価額(時価)以上であることとされていますが、権利行使価額を「新株予約権発行の取締役会決議日の前日の終値」とした場合でも、税制適格ストックオプションとして取り扱って差し支えないでしょうか。

【回答要旨】

 取締役会決議日以後速やかに付与契約が締結される場合には、税制適格ストックオプションとして取り扱って差し支えありません。

 租税特別措置法第29条の2《特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等》に規定するいわゆる税制適格ストックオプションについては、「新株予約権の行使に係る1株当たりの権利行使価額は、当該新株予約権に係る契約の締結の時における1株当たりの価額に相当する金額以上であること」が要件とされています(租税特別措置法第29条の2第1項第3号)。
  ここにいう付与契約の締結の時における1株当たりの価額(時価)は、付与契約締結日における価額のみをいうのではなく、市場価額との格差を設け、その取締役等に対して経済的利益を供与するためにその決定方法を採用したものでないと認められるときは、契約締結日前一定期間の平均株価等、権利行使価額を決定するための基礎として相当と認められる価額が含まれるものと取り扱って差し支えないと考えられます。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第29条の2

注記
 令和4年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。