【照会要旨】

 甲の父親は、父親を契約者(保険料負担者)及び被保険者とし、甲を保険金受取人とする生命保険契約を締結していましたが、父親が疾病により重度障害の状態になったことから、甲は保険会社から高度障害保険金を受け取りました。
 この場合、甲が受け取った高度障害保険金の課税関係はどのようになりますか。

【回答要旨】

 甲が受け取った高度障害保険金は、非課税所得となります。

(理由)
 所得税法施行令第30条第1号《非課税とされる保険金、損害賠償金等》の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいいますが、その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、その保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとして取り扱っています(所得税基本通達9−20)。
 なお、いわゆる死亡保険金は、「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」には該当しません。
 また、疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等は、所得税法施行令第30条第1号に規定する「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するものとして取り扱っています(所得税基本通達9−21)。
 したがって、父親が疾病により重度障害の状態となったことに基因して甲が支払を受ける高度障害保険金は「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当し、甲と父親は直系血族の関係にありますから、この高度障害保険金についても所得税法施行令第30条第1号の規定の適用があり、非課税所得として取り扱われます。

【関係法令通達】

所得税法第9条第1項第18号、所得税法施行令第30条第1号、所得税基本通達9−20、9−21

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。