【照会要旨】

Aが居住するマンションでは建物の一部に破損が生じたため、耐震安全性検証を行ったところ、設計及び施工について、新築当時の建築基準法に規定されていた耐震基準を満たしておらず、耐震安全性が低いことが判明しました。
 そこで、施工業者は、耐震補強工事の実施のため、マンションの居住者に一時的な退去を依頼するとともに、その居住者に対し、損害賠償金として1仮住まい先への転居に必要な移転費用相当額、2転居後の家賃相当額及び3仮住まい先からマンションへの転居に必要な移転費用相当額の補償金を支払うこととしました。
 Aが施工業者から受領する上記の補償金の課税関係はどのようになりますか。

【回答要旨】

照会の補償金についてはいずれも非課税となります。

所得税法上、不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金については非課税とされています(所得税法第9条第1項第18号、所得税法施行令第30条第2号)。
 照会の補償金については、いずれも施工不良に基因して追加的に生ずる費用の実費を補填する損害賠償金として支払われるものであることから、不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金として非課税となります。

【関係法令通達】

所得税法第9条第1項第18号、所得税法施行令第30条第2号

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。