医療法人である当社は、市との委託契約に基づき、地域包括支援センターにおいて「認知症初期集中支援事業」を行っており、当該事業に係る委託料を受領しています。
市から受託した「認知症初期集中支援事業」は、地域包括支援センターが行う「包括的支援事業」のうち、介護保険法第115条の45第2項第6号に規定する「認知症総合支援事業」に該当するものとして個別に受託したものですが、当社が受領する委託料の消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。
なお、当社は老人介護支援センターの設置者ではありません。
ご質問の貴社が受託した「認知症初期集中支援事業」は、社会福祉事業に類するものとして非課税となります。
(理由)
市町村が「包括的支援事業」を老人介護支援センターの設置者である法人以外の法人に委託した場合において、その「包括的支援事業」が「消費税法施行令第14条の3第5号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する資産の譲渡等を定める件」(平成18年厚生労働省告示第311号)に定める事業として行われる資産の譲渡等に該当する場合には、社会福祉事業に類するものとして非課税となります(令14の3五、基通6−7−10(2))。
上記告示第4号ホでは「保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者による認知症の早期における症状の悪化の防止のための支援その他の認知症である又はその疑いのある介護を受ける老人に対する総合的な支援を行う事業」が対象事業として掲げられており、貴社が受託した「認知症初期集中支援事業」は、同号ホに掲げる事業に該当するため、非課税となります。
なお、市町村が包括的支援事業を委託する場合には、原則として、包括的支援事業の全てにつき一括して行わなければなりませんが、貴社が受託した「認知症初期集中支援事業」は、介護保険法第115条の45第2項第6号に掲げる事業に該当し、当該事業は一括して委託しなければならない事業から除かれています(介護保険法115の47)。
消費税法別表第二第7号ハ
消費税法施行令第14条の3第5号
消費税法基本通達6−7−10(2)
平成18年厚生労働省告示第311号「消費税法施行令第14条の3第5号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する資産の譲渡等を定める件」
注記
令和6年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。