【照会要旨】

 当法人(一般社団法人)は、一般の方向けに各種セミナーを開催しているところ、地方公共団体からの要請に基づき、セミナーの受講者が一定の要件を満たしている場合には、受講料を一定額値引きしています。当該値引分については、当該地方公共団体に対し値引きをした実績に基づく交付金を申請し、受領しています。
 なお、当該交付金に関しては、その交付要綱において、値引きをしたセミナーの受講者数に応じた金額(値引きをした人数×○○○円)を交付することとされ、受講者について実績報告書により報告することとされています。
 当該交付金は特定収入に該当しますか。

【回答要旨】

 照会の交付金は、資産の譲渡等の対価以外の収入であり、法令又は交付要綱等により使途が明らかにされているものではありませんので、使途不特定の特定収入となります。

 (理由)
 特定収入とは、例えば、租税、補助金、交付金、負担金、寄付金等、資産の譲渡等の対価に該当しない収入のことをいい、法令又は交付要綱等において、課税仕入れに係る支払対価の額に係る支出以外の支出などの特定支出のためにのみ使用することとされている収入については、特定収入に該当しないこととされています。
 また、法令又は交付要綱等において、課税仕入れとなる支出(例えば「機械装置の取得費用」など)又は課税仕入れとならない支出(例えば「給料」など)に使用されることが具体的に明らかになっていない収入については、消費税法上は、「法令又は交付要綱等で使途が明らかにされているもの」には該当しません。
(注)1 「交付要綱等」とは、国、地方公共団体又は特別の法律により設立された法人が交付する者である補助金等について、これらの者が作成したその補助金等の使途を定めた文書をいいますが、「交付要綱等」の範囲には、補助金等交付要綱及び補助金等交付決定書のほか、これらの附属書類である補助金等の積算内訳書及び実績報告書も含まれます。
2 使途不特定の特定収入とは、課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入をいいます。
3 法令又は交付要綱等で使途が明らかにされていないものであっても、国・地方公共団体が合理的な方法により補助金等の使途を明らかにした文書(使途特定文書)により使途を特定することができます。

【関係法令通達】

 消費税法第60条第4項、消費税法施行令第75条第1項、消費税法基本通達16−2−1、16−2−2

注記
 令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。