地方公共団体の特別会計において、令和元年10月1日前に借入金等を財源として課税仕入れ(消費税率6.3%適用)を行いました。当該借入金等の返済等のための補助金等が同日以後に交付されましたが、当該補助金等が交付された課税期間における特定収入に係る仕入控除税額の調整計算はどのようになりますか。
当該補助金等に係る仕入控除税額の調整計算は、課税仕入れ等に係る特定収入に6.3/108を乗じて計算することとなります。
(理由)
国、地方公共団体等に特定収入がある場合には、仕入控除税額の計算に当たって、その特定収入に係る課税仕入れ等の税額を調整することとされています。
令和元年10月1日以後に受け入れる特定収入に係る仕入控除税額の調整計算については、原則として消費税率7.8%(軽減税率が適用される課税仕入れ等に係る支出のために充てられるものについては6.24%)を前提として調整(課税仕入れ等に係る特定収入に7.8/110又は6.24/108を乗じて計算)し、平成26年4月1日以後から令和元年10月1日前に受け入れる特定収入及び同日以後に受け入れる特定収入のうち法令若しくは交付要綱等又は国、地方公共団体が合理的な方法により補助金等の使途を明らかにした文書(以下「法令等」といいます。)において、旧税率適用課税仕入れ等(6.3%適用課税仕入れ等)に係る支出等のためにのみ充てられることが明らかにされているものに係る仕入控除税額の調整計算については、原則として消費税率6.3%を前提として調整(課税仕入れ等に係る特定収入に6.3/108 を乗じて計算)を行うことになります。
ところで、法令において返済又は償還のための補助金等が交付されることとなっていない借入金等(以下「借入金等」といいます。)を財源として課税仕入れを行い、後日、当該借入金等の返済等のための補助金等が交付された場合で、当該補助金等の交付要綱等に当該借入金等の返済等のための補助金等である旨が記載されているときは、当該補助金等は当該課税仕入れにのみ使用される収入として使途を特定することとなります(基通16−2−2(1)注書)。
したがって、例えば、令和元年10月1日前に借入金等を財源として課税仕入れ(消費税率6.3%適用)を行い、当該借入金等の返済等のための補助金等(交付要綱等で使途が特定されているものに限ります。)が同日以後に交付された場合には、当該補助金等に係る仕入控除税額の調整計算は、消費税率6.3%を前提として調整(課税仕入れ等に係る特定収入に6.3/108を乗じて計算)を行うことになります※。
※ この方法で計算する場合には、旧税率(4%及び6.3%)を適用した取引がある場合の計算表を使用してください。
(注) 平成26年4月1日前に受け入れる特定収入及び同日以後に受け入れる特定収入のうち法令等において、旧税率適用課税仕入れ等(4%適用課税仕入れ等)に係る支出等のためにのみ充てられることが明らかにされているものに係る仕入控除税額の調整計算については、原則として消費税率4%を前提として調整(課税仕入れ等に係る特定収入に4/105を乗じて計算)を行うことになります。
消費税法第60条第4項、消費税法施行令第75条第1項第6号、第4項、平成25年改正令附則第14条、平成26年改正令附則第14条、消費税法基本通達16−2−2
注記
令和6年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。