【照会要旨】

 当社は土木工事、建設工事及び宅地開発事業を行っている建設業者ですが、宅地開発のため用地を取得し、一部造成工事を行いました。
 しかし、宅地の販売開始が翌々事業年度となることから、一時的に当社の資材置場として使用しています。
 この場合、当期に行った造成工事の費用は、個別対応方式により仕入控除税額を計算するに当たって、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもののいずれに該当することになるのでしょうか。

【回答要旨】

 個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合には、課税仕入れ等について、丸1課税資産の譲渡等にのみ要するもの、丸2その他の資産の譲渡等にのみ要するもの、丸3課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分することとされていますが、この場合の「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」とは、非課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいうこととされており、販売用の土地の造成費用はこれに該当するものとされています(基通11-2-15)。
 また、この課税仕入れ等がその他の資産の譲渡等にのみ要するものに該当するかの区分は、課税仕入れを行った日の状況により行うこととされています(基通11-2-20)。
 したがって、質問の造成工事の費用については、販売の目的で取得した土地についての造成費用ですから、一時的に自社の資材置場として使用しているとしても、その他の資産の譲渡等にのみ要するものとなります。

【関係法令通達】

消費税法第30条第2項、消費税法基本通達11-2-15、11-2-20

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。