当社は自動車の卸売業を営む会社ですが、S支店が手狭になったので近隣に土地を取得して移転することとしました。新しい支店ビルは、1〜3階を当社が店舗として使用し、4階以上を他社へテナントとして貸し付けることとしています。この新支店ビルの建設に当たって次の費用を支出しますが、これらの課税仕入れは、個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもののいずれに該当することになるのでしょうか。
なお、S支店は、課税資産の譲渡等のみを行っている支店です。
土地購入あっせん手数料 550,000円
土地の造成費用 11,000,000円
個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合には、課税仕入れ等について、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分することとされていますが、この場合の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいうこととされています。
また、その課税仕入れ等が課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当するか否かの判定は、課税仕入れ等を行った日の状況により判定することになります(基通11-2-20)。
質問の新支店の建物は、S支店としての営業活動(課税売上げのみを行うもの)及びテナントとしての賃貸(課税売上げ)のために要するものですから、この支店の建築のための一連の費用のうち、課税仕入れに当たるものは課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当します。したがって、土地購入あっせん手数料及び土地造成費用は、いずれも課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当します。
消費税法第30条第2項、消費税法基本通達11-2-20
注記
令和6年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。