【照会要旨】

 当社は、米国のA社から製品を購入するに当たり、その輸入を国内のB社に委託することにしました。
 当該製品の輸入取引に際しては、当社が仕入書上の荷受人となり輸入貨物の引取り者(輸入者)として輸入申告を行うこととなりますが、B社は、輸入代行者として当社に代わって申告手続を行うとともに、当該製品の保税地域からの引取りに係る消費税(以下「輸入消費税」といいます。)を一時的に負担し、後日、当社からB社に対して、輸入消費税相当額を支払うこととしています。
 この場合、当該製品に係る輸入消費税については、消費税の課税事業者である当社又はB社のいずれにおいて仕入税額控除の対象とすることとなりますか。
 なお、当該製品の輸入は、関税定率法又は関税暫定措置法の規定に基づき、いわゆる限定申告が必要となるものではありません。

【回答要旨】

 貴社の消費税の確定申告において、当該製品の輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることとなります。

(理由)
 消費税の仕入税額控除の対象となるのは、国内において行う課税仕入れのほか、保税地域からの課税貨物の引取りがあります。この保税地域から引き取った課税貨物に課された又は課されるべき消費税額について仕入税額控除を受けるべき事業者は、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定に基づき、当該課税貨物を引き取った者、すなわち輸入申告を行った者になります。
 そして、輸入取引(注)により貨物が輸入される場合で、限定申告が必要となるものでない場合等には、仕入書等に記載されている荷受人が輸入申告を行うこととなります(関税法基本通達6−1(1))。
 したがって、照会の輸入消費税に係る仕入税額控除は、輸入申告者である貴社が行うこととなり、輸入代行者であるB社において行うことはできません。

(注)輸入取引とは、本邦に拠点を有する者が買手として貨物を本邦に到着させることを目的として売手との間で行った売買であって、現実に当該貨物が本邦に到着することとなったものをいい、通常、現実に貨物を輸入することとなる売買がこれに該当することとなります(関税定率法4条1項、関税定率法基本通達4−1)。

【関係法令通達】

 消費税法第30条第1項

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。