【照会要旨】

 共同保険事務に係る経費については幹事会社が一括して支払い、幹事会社と非幹事会社との間で負担分の精算を行っている場合、非幹事会社の仕入れに係る消費税額の控除に係る請求書等は、幹事会社が非幹事会社に交付する当該幹事会社の支払いに係る適格請求書のコピーでもよいでしょうか。

【回答要旨】

 共同事業として課税仕入れを行った場合において、幹事会社が課税仕入れの名義人となっていること等の事由により各社の持分に応じた適格請求書の交付を受けることができないときにおいて、非幹事会社は、幹事会社が仕入先から交付を受けた適格請求書のコピー及び幹事会社が作成した非幹事会社の負担割合に応じた課税仕入れに係る支払対価の額の配分内容を記載した精算書の交付を受け、これらを併せて保存することにより、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすことになります。
 また、非幹事会社に交付する適格請求書のコピーが大量となる等の事情により、立替払を行った幹事会社が、コピーを交付することが困難なときは、幹事会社が仕入先から交付を受けた適格請求書を保存し、精算書を交付することにより、非幹事会社は幹事会社が作成した(立替えを受けた非幹事会社の負担額が記載されている)精算書の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます(基通11−6−2)。
 この場合、幹事会社は、精算書に記載されている仕入れ(経費)について、仕入税額控除が可能なものか(すなわち、適格請求書発行事業者からの仕入れか、適格請求書発行事業者以外の者からの仕入れか)を明らかにし、また、適用税率ごとに区分するなど、非幹事会社が仕入税額控除を受けるに当たっての必要な事項を記載しておく必要があります。

【関係法令通達】

 消費税法第30条第7項、第9項、消費税法基本通達1-3-1、11-6-2

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。