【照会要旨】

 当社(中小企業)が商品券を発行した場合において、発行の時点で収益に計上する経理処理を行っているときは、消費税法上もその時点で課税資産の譲渡等があったものとして課税することとなるのでしょうか。
 また、この場合、商品と引き換えた時点を消費税法上の課税資産の譲渡等の時期とすれば、発行の時点で商品券の売上げを計上し、商品券と商品とを引き換えた時点で商品の売上げを計上することとなるので、売上げの二重計上とならないのでしょうか。

【回答要旨】

1 商品券の原始発行は、資産の譲渡等に該当せず、課税の対象とはなりません(基通6−4−5)。商品券について課税が生ずるのは商品券が商品と引き換えられた時点です(基通9−1−22)。

(注) 商品券等の発行者以外の者が行う商品券等の販売(流通している商品券等の販売)は、消費税は非課税とされています(法別表第二4ハ)。

2 このように、商品券等の発行時には消費税の課税関係は生じませんから、商品券の発行について、発行の時点を収益計上の時期とする方法、又は、商品券の発行代金を預り金として処理し、商品と引き換えた時点を収益計上の時期とする方法のいずれの方法で経理されている場合であっても、実際に商品を引き渡した時に消費税の課税が生ずることとなりますので、二重に課税されることはありません。

(参考)
  法人税においては、商品券を発行した場合、原則として引換えにより商品の引渡し等をした日の属する事業年度の益金の額に算入することになりますが、商品券の発行の日から10年が経過した日等の属する事業年度終了の時において、未引換券がある場合については、その未引換券に係る対価の額を一括してその事業年度の収益に計上することとされています(法基通2-1-39)。この未引換券の収益計上は資産の譲渡等を伴わないものですから、原則として消費税の課税の対象とはなりません。

【関係法令通達】

 消費税法別表第二第4号ハ、消費税法基本通達6-4-5、9-1-22、法人税基本通達2-1-39

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。