【照会要旨】

 株式の発行、併合又は分割の場合に交付すべき株式につき1株に満たない部分があるときは、その部分は一括して売却し、その売却代金を株主に交付することとされています(旧商法2201)。
 この場合、株式発行法人が行う端数株式の一括売却は有価証券の譲渡ですが、株式の交付が困難であるためやむを得ず譲渡するものであることから、課税売上割合の計算において、その譲渡代金の5%相当額を分母に加算しないこととしてよいでしょうか。
 また、株主においては、交付を受けた売却代金を課税の対象として取り扱うことでよいでしょうか。

(注) 会社法の施行に伴って端株制度は廃止されましたが、同法施行前から存在する端株の取扱いについては「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」第86条の規定により存続が認められています。

【回答要旨】

 株式の発行、併合又は分割において株式発行法人が一括売却する端数株式は端数株主全員の共有に属し、会社は端数株主からその処分を委託されているにすぎないものと認められますから、当該法人においては消費税の課税関係は生じません。
 一方、一括売却に付された端数株式の売却代金は、株主に帰属すべきものですから、株主が交付を受けた売却代金は有価証券の譲渡の対価に該当し、課税売上割合の計算においては、株主はその5%相当額を分母の金額に算入することとなります(令485)。

(注) 当該端株に係る消費税の取扱いについては、従前と同様に有価証券に類するものとされており(平18改正消令附則2)、会社法施行後に行われる端株の売却代金は有価証券等の譲渡の対価とみなされ(平18改正消令附則4)、課税売上割合の計算においては、その5%相当額を分母の金額に算入することとなります。

【関係法令通達】

 消費税法第30条第6項、消費税法施行令第48条第5項

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。