【照会要旨】

 相続税の申告期限前に第2次相続が開始したため、その第1次相続に係る申告期限が相続税法第27条第2項の規定により第2次相続に係る相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内となった場合に、租税特別措置法関係通達39-11の取扱いにより、第2次相続に係る相続人が第1次相続に係る相続税について、租税特別措置法第39条に規定する取得費加算の特例の適用を受けることができる譲渡の期限はいつですか。

【回答要旨】

 取得費加算の特例は、相続等により取得した資産を当該相続に係る相続人が相続税の申告期限から3年を経過する日までに譲渡した場合に適用がありますが、当該期間内に第2次相続が開始し、かつ、当該期間内に第2次相続の相続人が第1次相続に係る相続財産を譲渡した場合にも、一定の金額の範囲で第1次相続の相続税額を基に取得費加算の計算を行うことができることとして取り扱っています(措通39-11)。
 ところで、第1次相続に係る相続税の申告書の提出期限前に第1次相続人がこの申告書を提出しないで死亡した場合には、その申告義務は第2次相続人に承継され、その申告期限は相続税法第27条第2項の規定により第2次相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内となるため、この申告期限の日の翌日から3年以内に譲渡した場合には、特例の適用が認められます。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第39条第1項
 租税特別措置法関係通達39-11
 相続税法第27条

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。