【照会要旨】

 私は、一昨年に甲の相続によりA土地を取得し、昨年に乙の相続によりA土地の上に存するB家屋を取得しました。
 今般、B家屋を取り壊し、A土地の譲渡をしましたが、このような場合には、A土地は乙の相続により取得したものではないので、A土地の譲渡について被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることはできないと解してよろしいでしょうか。

【回答要旨】

 照会意見のとおり、あなたは、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることはできません。

 (理由)
 被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下「本特例」といいます。)の対象となる相続人は、相続又は遺贈(死因贈与を含みます。以下同じです。)により、被相続人居住用家屋と被相続人居住用家屋の敷地等の両方の取得をした相続人に限られています。
 そのため、例えば、被相続人が所有し居住していた家屋の敷地を相続人が所有していた場合(被相続人がその敷地を所有していない場合)は、その相続人が相続又は遺贈によりその家屋を取得し、その家屋とその敷地の両方を所有することとなったとしても、その相続人は、本特例の対象となる相続人には該当しないことになります。
 したがって、照会の場合、A土地を所有していた相続人が、乙の相続によりB家屋を取得したことにより、A土地とB家屋の両方を所有することになったものであることから、あなたは、本特例の対象となる相続人には該当せず、本特例の適用を受けることはできません。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第35条第3項、第5項
 租税特別措置法関係通達35−9

注記
 令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。