【照会要旨】

 甲は、昨年に死亡した乙から乙の自宅であった家屋とその敷地を相続により取得しました。
 本年に甲は、当該家屋が相続の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準に適合する家屋であったため、耐震リフォームの改築等を行わずに、そのまま家屋及びその敷地を譲渡しました。
 この場合、甲は、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることができますか。

【回答要旨】

 甲は、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることができます。

(理由)
 被相続人居住用家屋には、当該相続の時後に当該相続人居住用家屋につき行われた増築、改築(一定のものを除く。)、修繕又は模様替に係る部分を含むものとしています。
 これは、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けるための一定の要件のうち、「当該譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準として政令で定めるものに適合するものであること」を満たすことが求められているためであり、本事例のように、「譲渡の時」において既に当該安全性に係る規定又は基準を満たしていれば、耐震リフォームを改めて行う必要はないことから、甲は、本特例の適用を受けることができます。
 なお、当該家屋は昭和56年5月31日以前に建築されたものである必要があるほか、確定申告する際の法定添付書類である耐震基準適合証明書又は建設住宅性能評価書の写しについては、当該被相続人居住用家屋の譲渡の日前2年以内に証明のための調査が終了している又は評価されている必要があることに留意してください。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第35条第3項
 租税特別措置法施行令第23条第5項
 租税特別措置法施行規則第18条の2第2項
 平成21年国土交通省告示第685号

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。