甲は、昨年に死亡した乙から乙の自宅であった家屋とその敷地を相続により取得しました。
甲は、当該家屋を取り壊した後、当該敷地であった土地を2筆に分筆(A土地・B土地)し、本年5月にA土地を2,000万円で譲渡し、同年11月にB土地を1,800万円で譲渡しました。
この場合、甲は、A土地及びB土地の譲渡について被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることができますか。
甲は、同一年中にA土地及びB土地を譲渡していることから、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることができます。
(理由)
被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例は、同一の被相続人からの相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について、1人の相続人ごとに1回しかその適用を受けることができません。
しかしながら、本事例の場合、同一年中の譲渡であることから、A土地及びB土地の譲渡について、本特例の適用要件をいずれも満たしている限り、本特例の適用を受けることができます。ただし、この場合、譲渡所得の金額から控除できる金額は、3,000万円が限度となります。
(注)1 A土地とB土地の譲渡が2年にまたがった場合は、いずれかの年分のみ被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けることができます。なお、一度特例の適用を受けることを選択し申告した後に、他の年分に選択替えをしたり、その反対に適用しないことを選択した後にその年分で適用する選択を行うことはできません。
(注)2 相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人家屋の敷地等の取得をした相続人の数が3人以上である場合、譲渡所得の金額から控除できる金額は2,000万円が限度となります。
租税特別措置法第35条第3項、第4項
租税特別措置法関係通達35−18
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。