被相続人の連帯保証債務を相続人が相続した後、相続人が自己の不動産を譲渡してその履行をしました。当該保証債務は、相続開始時点で主たる債務者が弁済不能の状態にあるもので、相続税法基本通達14-3(1)により被相続人の債務として相続税の計算上債務控除できるものです。
この保証債務を債務控除の対象にした場合において、相続人が相続後に当該保証債務を履行するためにした不動産の譲渡につき所得税法第64条第2項の保証債務の特例を適用できますか。債務控除の対象とすることによって、保証債務が被相続人固有の債務に変わるから所得税法第64条第2項は適用できないとの意見があります。
相続税の計算上、債務控除の対象にしたことによって債務の性質が変わるものではありません。相続人は、保証債務という債務を相続してその履行をするものですから、相続人について所得税法第64条第2項の規定を適用することができます。
所得税法第64条第2項
所得税基本通達64-5の3
相続税法第13条、第14条
相続税法基本通達14-3(1)
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。