1 債務者甲に係る保証債務3,670万円を履行するためA資産を、債務者乙に係る保証債務2,670万円を履行するためB資産をそれぞれ譲渡し、それぞれその履行に充てました。
資産の種類 A資産(短期保有土地) B資産(長期保有土地) | ||||||
譲渡価額 | 4,000 万円 | 10,000 万円 | ||||
取得費 | 2,240 〃 | 3,610 〃 | ||||
譲渡益 | 1,760 〃 | 6,390 〃 | ||||
求償不能額 | 3,670 〃 | 2,670 〃 | ||||
差引差額 | △ | 1,910 〃 | 3,720 〃 | |||
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2 上記A、Bの譲渡に対して所得税法第64条第2項に規定する保証債務の特例を適用する場合、次の2案がありますが、いずれによるべきですか。
〈第T案〉
A資産の赤字1,910万円とB資産の黒字3,720万円との通算は認められない。したがって、3,720万円が課税の対象になる。
〈第U案〉
A資産の赤字1,910万円とB資産の黒字3,720万円との通算は認められる。したがって、1,810万円が課税の対象になる。
A及びBの資産がいずれも保証債務を履行するために譲渡されているとすれば、所得税法第64条第2項及び所得税法施行令第180条第2項の規定により譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなされる金額は、譲渡所得の金額として一括して計算することになるため、第U案のとおり通算することになります。
所得税法第64条第2項
所得税法施行令第180条第2項
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。