【照会要旨】

 民法第958条の2第1項の規定による相続財産の分与によって不動産を取得した特別縁故者が、その不動産を譲渡した場合、譲渡所得の計算上、その不動産の取得の時期および取得費は、被相続人から遺贈により取得したものとして、所得税法第60条第1項の規定を適用してよいでしょうか。

【回答要旨】

 所得税法上、相続財産の分与として取得した財産については、遺贈により取得したものとみなす規定がありませんので、遺贈により取得したものとみることはできません。
 相続財産の分与として取得した財産は、その分与を受けた時に、その時の価額により取得したことになります。

【関係法令通達】

 所得税法第60条第1項
 民法第958条の2第1項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。