【照会要旨】

 私は、今年の6月に、所有する土地及び家屋を3,000万円で譲渡する売買契約を締結しました。譲渡した土地及び家屋には本年度分の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」といいます。)が課されているところ、その売買契約では、譲渡日から今年の年末までの期間に係る固定資産税等に相当する額(以下「未経過固定資産税等に相当する額」といいます。)を、買主が私に支払うことになっています。
 この受け取った未経過固定資産税等に相当する額は、譲渡所得の計算上、収入金額に算入することになりますか。

【回答要旨】

 支払を受けた未経過固定資産税等に相当する額は、譲渡所得の収入金額に算入されます。
 固定資産税等は、各年ごとに、その賦課期日(その年度の初日の属する年の1月1日)における土地又は家屋の所有者を納税義務者として課されるものであり、その年度の賦課期日後に所有者の異動が生じたとしても、新たに所有者となった者がその賦課期日を基準として課される固定資産税等の納税義務を負担することはありません。
 固定資産税等の賦課期日とは異なる日をもって土地建物の売買契約を締結するに際し、買主が売主に対し、売主が納税義務を負担する固定資産税等の税額のうち未経過固定資産税等に相当する額を支払うことを合意した場合、この合意は、土地及び家屋の売買契約を締結するに際し、売主が1年を単位として納税義務を負う固定資産税等につき、買主がこれを負担することなくその土地及び家屋を所有する期間があるという状況を調整するために個々的に行われるものであると考えられます。このことからすれば、支払を受けた未経過固定資産税等に相当する額は、実質的にはその土地及び家屋の譲渡の対価の一部を成すものと解するのが相当と考えられます。

【関係法令通達】

 所得税法第33条、第36条
 地方税法第343条、第359条、第702条、第702条の6

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。