【照会要旨】

 当社は、家電を販売している小売事業者ですが、この度、QRコードやバーコードを使用した決済(以下、「コード決済」といいます。)サービス(「〇〇Pay」、「△△Pay」及び「□□Pay」)を導入することとし、各コード決済サービスの決済事業者である〇〇社、△△社及び□□社とそれぞれ加盟店契約を結びました。
 今後は、商品購入時にコード決済サービスを利用した支払を希望したお客様に、次のような領収書を交付しようと考えていますが、印紙税の取扱いはどのようになるのでしょうか。
 なお、領収書の交付時における金銭又は有価証券(以下「金銭等」といいます。)の受領事実の有無については、加盟店契約等の内容により、次表のとおり、コード決済サービスの区分に応じて異なります。

コード決済サービス 領収書の交付時における金銭等の受領事実の有無(加盟店契約等の内容)
〇〇Pay 金銭等の受領事実がある。
△△Pay 金銭等の受領事実がない。
□□Pay 金銭等の受領事実がある決済方式とない決済方式を組み合わせて1つのサービスとして提供しており、お客様が選択する決済方式によって、金銭等の受領事実の有無が異なる。

例1:利用した個々のコード決済サービス名が表記された領収書

例1:利用した個々のコード決済サービス名が表記された領収書の図

例2:どのコード決済サービスを利用しても、一律に「コード決済」と表記された領収書

例2:どのコード決済サービスを利用しても、一律に「コード決済」と表記された領収書の図

【回答要旨】

 ご質問の文書は、13及び4は、第17号の1文書(売上代金に係る金銭等の受取書)、2は不課税文書に該当します。

(理由)

第17号の1文書は、金銭等の受領事実を証明する目的で作成されるものです。
 このため、領収書の交付時に金銭等の受領事実がない場合は、クレジット販売の場合と同様、交付する文書の表題が「領収書」となっていても、第17号の1文書には該当しません。
 なお、この場合であっても、金銭等の受領事実がないことが文書上明らかでない場合には、第17号の1文書に該当します。
 コード決済は、領収書の交付時における金銭等の受領事実の有無が決済の仕組みや加盟店契約等の内容により、コード決済サービスの区分に応じてそれぞれ異なりますので、ご質問の1から4までの領収書の印紙税の取扱いは、それぞれ以下のとおりとなります。

1 1の領収書について、「〇〇Pay」は、加盟店契約等の内容によると、領収書の交付時に金銭等の受領事実があることから、第17号の1文書に該当します。

2 2の領収書について、「△△Pay」は、加盟店契約等の内容によると、領収書の交付時に金銭等の受領事実がなく、領収書にも「△△Pay」と表記されていることから、金銭等の受領事実がないことが文書上明らかであると認められますので、第17号の1文書には該当しません。

3 3の領収書について、「□□Pay」は、加盟店契約等の内容によると、領収書の交付時に金銭等の受領事実がある決済方式とない決済方式を組み合わせて1つのサービスとして提供するコード決済サービスであることから、「□□Pay」という表記のみでは、金銭等の受領事実の有無が文書上明らかであるとは認められません。
 したがって、領収書の交付時に金銭等の受領事実がない決済方式で販売した場合を含め、「□□Pay」と表記された3の領収書は全て第17号の1文書に該当します。

4 コード決済は、領収書の交付時における金銭等の受領事実の有無がコード決済サービスによって異なることから、「コード決済」という表記のみでは、金銭等の受領事実の有無が文書上明らかであるとは認められません。
 したがって、領収書の交付時に金銭等の受領事実がない決済方式で販売した場合を含め、「コード決済」と表記された4の領収書は全て第17号の1文書に該当します。

(注1)ここでいう「金銭等の受領事実がある」とは、コード決済サービスの決済の仕組みや加盟店契約等の内容から、領収書の交付時において、加盟店が金銭等を受領した(引き渡しを受けた)と評価できるものをいいます。
 コード決済サービスの決済の仕組みや領収書の交付時における金銭等の受領事実の有無については、加盟店契約等の内容をご確認いただくとともに、以下の資料も参照ください。
 「コード決済を行った際に作成される領収書等の印紙税における取扱いについて」(経済産業省作成資料)(PDF/702KB)

(注2)「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標となります。

【関係法令通達】

 印紙税法基本通達別表第一 第17号文書の1

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。