【照会要旨】

 当金融機関は、地方自治法に規定する指定納付受託者から地方税等の公金の納付事務の一部を委託されています。
 当該事務の実施に当たり、当金融機関のATMにおいて公金の納入義務者から公金納入のための金銭を受領した際には、当該納入義務者に対して金銭の受取書を作成し交付することとしていますが、当該受取書は印紙税の課税対象になるのでしょうか。

【回答要旨】

 印紙税法上、法令の規定に基づき国庫金又は地方公共団体の公金の取扱いをする者が作成する「国庫金又は地方公共団体の公金に関する文書」は、非課税となります。
 地方自治法第231条の2の3の規定によれば、地方公共団体の長が指定する指定納付受託者は、公金を納付しようとする者(公金の納入義務者)からの委託を受けてその納付事務を行うことができることとされ(指定納付者受託制度)、また同法第231条の2の4の規定によれば、当該指定納付受託者は、その委託を受けた納付事務の一部を、納付事務を適切かつ確実に遂行することができる一定の者に委託することができることとされていることから、当該規定に基づき指定納付受託者から公金の納付事務の一部委託を受けた金融機関は、「法令の規定に基づき国庫金又は地方公共団体の公金の取扱いをする者」に該当することとなります。
 したがって、当該金融機関が地方税等の公金の納付を委託した者(公金の納入義務者)から公金納入のための金銭を受領した際に、当該者に対して作成し交付する受取書は、「国庫金又は地方公共団体の公金に関する文書」として非課税になります。

 (参考)
 印紙税法基本通達第53条において、非課税文書の作成者から委託を受けた者は、非課税文書の作成者に含まれないとされていますが、上述のとおり、指定納付受託者及び当該金融機関は、「法令の規定に基づき国庫金又は地方公共団体の公金の取扱いをする者」そのものに該当します。
 なお、本照会における指定納付受託者制度のほかに地方公共団体以外の者に公金収納を行わせる制度として、地方自治法第235条の規定に基づく指定金融機関制度がありますが、金融機関が、同条の規定による指定を受けている(指定金融機関に該当する)場合も、当該金融機関は「法令の規定に基づき国庫金又は地方公共団体の公金の取扱いをする者」に該当します。

【関係法令通達】

 印紙税法別表第三、印紙税法基本通達第53条

注記
 令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。