【照会要旨】

 営業に関しない受取書は非課税と規定されていますが、具体的にはどのような者が作成する場合の受取書をいうのでしょうか。

【回答要旨】

 金銭又は有価証券の受取書のうち営業に関しないものは、第17号文書の非課税物件欄2において非課税とされていますが、具体的には、商法上の「商人」に当たらないと解されている次の者が作成する受取書をいいます。

受取書の作成者 内容
個人が私的財産を譲渡したとき等に作成する受取書  営業とは、利益を得る目的で同種の行為を反復継続すること、つまり継続的な営利活動をいいますので、個人がたまたま私的財産を譲渡したとき等に作成する受取書は非課税となります。
公益法人の作成する受取書  公益法人は、たとえ収益事業を行う場合であっても、収益事業で得た利益を公益以外の目的で使用することが認められていませんので、商人としての性格を持たず、公益法人名義で作成する受取書はすべて非課税となります(基通第17号文書の22)。
公益等を目的とする人格のない社団の作成する受取書  公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的とする人格のない社団が作成する受取書は非課税となります(基通第17号文書の23)。
 (注) 公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的としないその他の人格のない社団が、収益事業に関して作成する受取書は課税の対象となります。
農業従事者等が作成する受取書  一般に営業に当たらないと解されている店舗その他これらに類する設備を有しない農業、林業又は漁業に従事する者が、自己の生産物の販売に関して作成する受取書は非課税となります(基通第17号文書の24)。
医師、弁護士等の作成する受取書  一般に営業に当たらないと解されている自由職業者が、その業務に関して作成する受取書は非課税となります(基通第17号文書の25及び26)。
会社以外の法人で、利益金又は剰余金の配当又は分配のできない法人が作成する受取書  営利法人以外の法人で特別法により法人になることが認められた法人のうち、利益金又は剰余金の配当又は分配のできない、法人労働組合、商品取引所等の作成する受取書は非課税となります。
会社以外の法人で、利益金又は剰余金の配当又は分配のできる法人がその出資者との間で作成する受取書  法令の規定、定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配のできる法人が、その出資者に対して行う事業に係る受取書は非課税となります(第17号文書の非課税物件欄2)。

(注) 会社以外の法人で、利益金又は剰余金の配当又は分配のできる法人には、おおむね次に掲げる法人が該当します(基通第17号文書の21)。
1貸家組合、貸家組合連合会 2貸室組合、貸室組合連合会 3事業協同組合、事業協同組合連合会 4事業協同小組合、事業協同小組合連合会 5火災共済協同組合、火災共済協同組合連合会 6信用協同組合、信用協同組合連合会 7企業組合 8協業組合 9塩業組合 10消費生活協同組合、消費生活協同組合連合会 11農林中央金庫 12信用金庫、信用金庫連合会 13労働金庫、労働金庫連合会 14商店街振興組合、商店街振興組合連合会 15船主相互保険組合 16輸出水産業協同組合 17漁業協同組合、漁業協同組合連合会 18漁業生産組合 19水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会 20共済水産業協同組合連合会 21森林組合、森林組合連合会 22蚕糸組合 23農業協同組合、農業協同組合連合会 24農事組合法人 25貿易連合 26相互会社 27労働者協同組合(特定労働者協同組合を除きます。)、労働者協同組合連合会(出資のあるものに限ります。以下同じです。) 28輸出組合、輸入組合 29商工組合、商工組合連合会 30生活衛生同業組合、生活衛生同業組合連合会

※ ここに掲げる以外の法人については、当該法人に係る法令の規定又は定款の定めにより判断する必要があります。

【関係法令通達】

 印紙税法基本通達別表第一 第17号文書の21〜27

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。