【照会要旨】

 当社は、金融機関が行う電子記録債権取引を利用するに当たり、金融機関に別紙「電子記録債権割引利用契約書」を差し入れることとしました。
 当該文書は、金融機関と別に締結した銀行取引約定書に規定する各条項のほか、金融機関に対して電子債権の割引を依頼する際の基本的事項を定めるものですが、印紙税法上の取扱いはどのようになるのでしょうか。

電子記録債権割引利用契約書

【回答要旨】

 照会の文書の第1条では、顧客は電子記録債権の割引を金融機関に依頼するにあたり、電子記録債権について、譲渡記録の請求を行う旨を定めるとともに、割引料を差し引く旨を定めています。
 電子記録債権法(平成19年法律第102号)では、譲渡記録を行うことにより、電子記録債権の譲渡の効力が生ずることとされています(電子記録債権法17、18)ので、照会の文書は、第15号文書(債権譲渡に関する契約書)に該当します。
 なお、照会の文書は、金融機関とその金融機関と銀行約定書等を締結した顧客(金融機関の信用の供与を受ける者)との間における契約書ですが、銀行取引約定書を引用した取引であり、包括的に債務の履行方法を定めるものとは認められないことから、印紙税法施行令第26条第3号に規定する第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)には該当しません。
 また、照会の文書第1条(2)には、手形割引料金等を預金口座から引き落としにより支払う旨を定めていますが、当該規定は、あらかじめ指定された預金口座から手形割引料金等を引き落とすことを定めるものであり、照会の文書においてあらためて預金の払戻し方法の変更を証するものではないことから、第14号文書(金銭の寄託に関する契約書)には該当しません。

【関係法令通達】

 印紙税法別表第一第15号文書、印紙税法施行令第26条第3号、電子記録債権法第17条、18条

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。