外国法人A社の100%子会社であるB社と、B社と出資関係を有しないE社(内国法人であるC社と外国法人であるD社がその発行済株式の全てを保有しています。)との間で、B社を合併法人、E社を被合併法人とする適格合併を予定しています(B・C・E社はいずれも株式会社で、A・D社は日本の株式会社に相当する法人です。また、A・D社が所在する外国と日本との間に租税条約は締結されていません。)。
この合併は、E社の株主に交付する合併対価をB社株式ではなく、B社の100%親法人である外国法人A社の株式とするいわゆる「クロスボーダーの三角合併」により行うことを予定しています。被合併法人E社の株主であるC社及びD社に対しては、B社の100%親法人である外国法人A社の株式以外の資産は交付されません。
この場合、C社及びD社が保有するE社株式の譲渡に係る課税関係は生じないと解してよろしいでしょうか。
なお、D社は、日本に恒久的施設を有していません。また、D社は、昨年にE社の発行済株式の30%を取得し、現在まで継続して保有しています。

C社については、E社株式の譲渡に係る課税関係は生じません。
D社については、E社株式の譲渡に係る譲渡損益は課税の対象となります。
(理由)
、法規27の3十)。
)、譲渡対価の額と譲渡原価の額が同額(いずれも合併の直前の被合併法人の株式の帳簿価額)となり、譲渡損益は生じません。この取扱いは、被合併法人の株主に交付される合併親法人の株式が外国法人の株式であっても同様となります。
四)。
、142、142の10、法令184
十八、191)。これは、外国法人である被合併法人株主に外国法人の株式が交付され、その再編時に課税の繰延べを行うと、日本での課税機会が失われることとなるため、国際課税を適正化するという観点によるものです。
内国法人の特殊関係株主等(内国法人の一の株主及びその同族関係者等)が、譲渡事業年度終了の日以前3年以内のいずれかの時において、その内国法人の発行済株式等の総数の25%以上を所有していたこと(所有株数要件)、及び
内国法人の株式等の譲渡を行った外国法人を含むその法人の特殊関係株主等がその発行済株式等の総数の5%以上の譲渡をしたこと(譲渡株数要件)の2つの要件を満たす譲渡のことをいいます(法令178
四ロ、
、
)。法人税法第61条の2第1項、第2項、第141条第2号、第142条、第142条の10
法人税法施行令第178条第1項第4号ロ、第4項、第6項、第184条第1項第18号、第191条
法人税法施行規則第27条の3第10号
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。