A社は、国内で家具の製造業を営む法人ですが、A社と資本関係のないB社と共同して、木製家具の製造業を営む法人を新たに国内で設立することを検討しています。
新法人の設立に当たって、A社からは、木製家具の製造部門(家具製造事業)を現物出資し、B社からは金銭による出資を行う予定です。当該法人の設立に当たっての出資割合はA社が60%、B社が40%であり、その出資割合に応じた株式が交付されるとともに、その保有関係が維持される見込みです。
A社が行う現物出資の適格判定は、どのように行えばよいのでしょうか。
A社が新法人の発行済株式の60%を継続して保有することが見込まれており、A社による支配関係が継続することが見込まれますので、次の3つの要件を満たしている場合には、適格現物出資に該当することになります。
(理由)
法人を設立する現物出資(以下「新設現物出資」といいます。)で一の法人のみが現物出資法人となるものを単独新設現物出資といい、新設現物出資で単独新設現物出資に該当しないものを複数新設現物出資といいます(法令4の3)。
ご照会の場合には、新法人の設立に際して、A社からの現物出資とB社からの金銭出資が同時に行われるとのことですが、現物出資を行うのはA社のみですから、単独新設現物出資になります。
このA社が行う単独新設現物出資における適格判定については、A社が新法人の発行済株式の60%を継続して保有することが見込まれており、当該現物出資法人であるA社と被現物出資法人である新法人との間に現物出資法人であるA社による支配関係が継続することが見込まれていますので、次の3つの要件を満たしている場合には、適格現物出資に該当することになります。
法人税法第2条第12号の14ロ
法人税法施行令第4条の3第13項、第14項第1号ロ
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。