【照会要旨】

 医療法人が、租税特別措置法第67条((社会保険診療報酬の所得の計算の特例))の規定を適用する場合において、次に掲げる事項はどのように取り扱われますか。

(1) 寄附金の額のうち損金不算入相当額は社会保険診療報酬に係る経費に含まれますか。

(2) 当該経費を計算する場合、寄附金の損金不算入額の計算はどのように行うのでしょうか。

【回答要旨】

(1) 社会保険診療報酬の経費の範囲について
 寄附金の額のうち損金不算入相当額は、社会診療報酬に係る経費に含まれません。
 なお、寄附金の額のうち損金算入相当額は、社会保険診療報酬とその他の収入とに共通する費用に該当し、社会保険診療報酬に係る経費とその他の収入に係る経費のそれぞれに、合理的な基準により配賦されることとなります(租税特別措置法関係通達(法人税編)67−4(1))。

(2) 寄附金の損金不算入額の計算
 租税特別措置法第67条の規定の適用による損金算入額は、例えば、社会保険診療報酬につき支払を受けるべき金額が2,500万円以下の場合には、当該金額の72%相当額とされており、この72%相当額は次に掲げる金額から構成されています。

1 本制度の適用がない場合に損金の額に算入される社会保険診療報酬に係る経費の額(青色申告法人の繰越欠損金の控除額を除きます。)

2 社会保険診療報酬につき支払いを受けるべき金額の72%相当額から1の金額を控除した金額

 お尋ねの寄附金の損金算入限度額は、2の金額につき本制度の適用がないものとした場合の別表四の「23」欄(仮計)を当該事業年度の所得の金額として計算することとなります。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第67条
 租税特別措置法関係通達(法人税編)67−4

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。