建設業者が、施工の効率化を目的として既に有する建設機材(機械装置)に油圧ポンプや制御用コンピュータを搭載する改良を行った場合に、当該改良が法人税法施行令第132条《資本的支出》に規定する資本的支出に該当するときは、当該資本的支出については、租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の適用はありますか。
原則として、租税特別措置法第42条の6の適用はありません。
(理由)
法人が行った資本的支出については、取得価額を区分する特例である法人税法施行令第55条第1項《資本的支出の取得価額の特例》の規定の適用を受けて新たに取得されるものであっても、法人の既に有する減価償却資産につき改良、改造等のために行った支出であることから、原則として、租税特別措置法第42条の6第1項に規定する「取得し、又は・・・製作して、これを国内にある当該中小企業者等の営む・・・事業の用(・・・)に供した」減価償却資産には当たらないと解することが相当です。
ただし、当該資本的支出の内容が、例えば、単独資産としての機能の付加である場合など、実質的に新たな資産を取得したと認められる場合には、当該資産について租税特別措置法第42条の6第1項の規定を適用することができます。
租税特別措置法第42条の6
法人税法施行令第55条、第132条
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。