【照会要旨】

 子会社等を整理又は再建する場合の損失負担等が経済合理性を有しているか否かはどのように検討するのでしょうか(合理的な整理計画又は再建計画とはどのようなものをいうのでしょうか。)。

【回答要旨】

 子会社等を整理又は再建する場合の損失負担等については、その損失負担等に経済合理性がある場合には寄附金に該当しませんが、この経済合理性を有しているか否かの判断は、次のような点について、総合的に検討することとなります。

1 損失負担等を受ける者は、「子会社等」に該当するか。

2 子会社等は経営危機に陥っているか(倒産の危機にあるか)。

3 損失負担等を行うことは相当か(支援者にとって相当な理由はあるか)。

4 損失負担等の額(支援額)は合理的であるか(過剰支援になっていないか)。

5 整理・再建管理はなされているか(その後の子会社等の立ち直り状況に応じて支援額を見直すこととされているか)。

6 損失負担等をする支援者の範囲は相当であるか(特定の債権者等が意図的に加わっていないなどの恣意性がないか)。

7 損失負担等の額の割合は合理的であるか(特定の債権者だけが不当に負担を重くし又は免れていないか)。

(注) 子会社等を整理する場合の損失負担等(法人税基本通達9−4−1)の経済合理性の判断の留意点

  • 上記2については、倒産の危機に至らないまでも経営成績が悪いなど、放置した場合には今後より大きな損失を蒙ることが社会通念上明らかであるかどうかを検討することになります。
  • 上記5については、子会社等の整理の場合には、一般的にその必要はありませんが、整理に長期間を要するときは、その整理計画の実施状況の管理を行うこととしているかどうかを検討することになります。

  なお、「再建支援等事案に係る検討項目及びその概要」(PDF/55KB)は、こちらをご参照ください。

【関係法令通達】

 法人税基本通達9−4−1、9−4−2

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。