甲銀行は、融資先であるA社の経営状況が著しく悪化したことから、債権者集会の協議決定に従ってA社に対する貸付金の弁済期限を10年間延長することとしました。このため、甲銀行ではA社に対する貸付金について、法人税法施行令第96条第1項第1号による貸倒引当金(いわゆる長期棚上げ債権に係る貸倒引当金)の繰入れを検討しています。
ところで、A社に対する貸付金の一部については、保証機関による保証が付されていますが、法人税法施行令第96条第1項第1号による貸倒引当金の繰入限度額の算定に当たり控除することとされている「担保権の実行その他によりその取立て又は弁済の見込みがあると認められる部分の金額」には、保証機関による保証債務の履行による回収可能額は含まれないと解して差し支えありませんか。
照会意見のとおりに解して差し支えありません。
(理由)
繰入事由 | |
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イ | 更生計画認可の決定(法令96![]() |
ロ | 再生計画認可の決定(法令96![]() |
ハ | 特別清算に係る協定の認可の決定(法令96![]() |
ニ | 法人税法施行令第24条の2第1項(再生計画認可の決定に準ずる事実等)に規定する事実が生じたこと(法令96![]() |
ホ | 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるもの(上記ニの事由を除きます。)(法令96![]()
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法人税法第52条第1項
法人税法施行令第96条第1項第1号
法人税法施行規則第25条の2
法人税基本通達11−2−5
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。