【照会要旨】

 A社は、所有する船舶(船舶法第1条に規定する日本船舶に該当し、以下「本件船舶」といいます。)をB社に貸し付けており、本件船舶は、B社において建設業の用に供されています。
 この度、A社は、本件船舶を譲渡し、新たな船舶への買換えを予定していますが、貸付けの用に供されていた船舶であっても、租税特別措置法第65条の7の特例(以下「本件特例」といいます。)の対象となる譲渡資産(措法65の71表の第4号の上欄)に該当しますか。
 なお、本件船舶の進水の日からその譲渡の日までの期間(船齢)は25年であり、本体船舶は平成23年1月1日より前に建造されています。

【回答要旨】

 本件船舶は、本件特例の対象となる譲渡資産に該当します。

(理由)
 本件特例の対象となる譲渡資産は、租税特別措置法第65条の7第1項の表の第4号の上欄において、「船舶(船舶法第1条に規定する日本船舶に限るものとし、漁業…の用に供されるものを除く。…)のうちその進水の日からその譲渡の日までの期間が政令で定める期間に満たないもの(建設業…の用に供されるものにあっては、平成23年1月1日以後に建造されたものを除く。)」と規定され、その政令で定める期間として、租税特別措置法施行令第39条の7《特定の資産の買換えの場合等の課税の特例》第6項第3号で、「建設業…の用に供されている船舶」については「30年」と規定されており、業種要件(漁業の用に供されるものでないこと)、船齢要件(船齢が業種区分に応じた年数未満の船舶であること)及び建造日に係る要件(平成23年1月1日以後に建造されたものでないこと)が設けられています。
 譲渡資産の業種要件及び船齢要件における業種区分は、それぞれ「〜の用に供されるもの」、「〜の用に供されている船舶」との規定ぶりであること、及び本件特例の趣旨がより早期の買換えを促進することであることからすれば、その船舶が実際に供されている事業で判定することが相当と解されます。
 そうすると、その船舶が貸付先において漁業の用に供されておらず、貸付先において実際に供されている事業の業種の区分に応じた船齢の要件を満たす場合には、その船舶は譲渡資産に該当することとなります。
 したがって、貸付先であるB社において建設業の用に供されている本件船舶は、1船舶法第1条に規定する日本船舶に該当すること、1B社において漁業の用に供されるものでないこと、及び3その船齢が30年に満たないこと、並びに4平成23年1月1日以後に建造されたものでないこととの要件を満たすため本件特例の対象となる譲渡資産に該当します。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第65条の7第1項
 租税特別措置法施行令第39条の7第6項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。