老朽化地下貯蔵タンクからの危険物(石油等)流出事故防止のため、危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)等が改正され、危険物(石油等)の製造所、貯蔵所又は取扱所の地盤面下に直接埋没された地下貯蔵タンクのうち、腐食のおそれが特に高いとされるもの等については、腐食を防止するためのコーティング等の改修を行わなければならないこととされました。こうした改修を行わない場合には、市町村長等から改修等を命ぜられ、改修等の命令に違反したときには、地下貯蔵タンクの使用許可の取消し又は使用停止を命ぜられることとなります。
このように、一定の地下貯蔵タンクについては同規則等の改正により改修を行うことを義務付けられましたが、地下貯蔵タンクの保有者が同規則等の規定に従って行う改修は、原状機能と原状価値を維持できなくなることを防止するために行うものであり、通常の維持管理の範囲内の行為であることから、当該改修に係る費用は修繕費に該当すると解して差し支えありませんか。
《参考》
照会意見のとおりに解して差し支えありません。
(理由)
地下貯蔵タンクの保有者が参考1及び2の規定に従って行う改修は、法令等の改正により新たに義務付けられたものであり、当該地下貯蔵タンクの改修を行わない場合には、市町村長等から改修等を命ぜられ、改修等の命令に違反した場合には、地下貯蔵タンクの使用許可の取消し又は使用停止を命ぜられることとなります。
今回改正された法令等に照らせば、地下貯蔵タンクの保有者が参考1及び2の規定に従って行う改修工事の内容は、老朽化した地下貯蔵タンクを流出事故が発生しない程度に機能回復するものであり、地下貯蔵タンクの原状機能と原状価値を維持できなくなることを防止するためのものと認められます。したがって、地下貯蔵タンクの保有者が参考1及び2の規定に従い改修を行うことは通常の維持管理の範囲内の行為であることから、当該改修に係る費用は修繕費に該当します。
なお、既設の地下貯蔵タンクの改修を行わず、新たに地下貯蔵タンクを取得した場合の取得に要した費用は修繕費には該当せず、その取得に要した費用の全額は減価償却資産の取得価額となります。
法人税法施行令第132条
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。