【照会要旨】

 A社の従業員Bは、海外支店勤務中に定年を迎え、現地で退職し、退職金については非居住者に支払うものとして課税されています。
 その後、Bが帰国し居住者となった後に退職給与規程の改訂が行われ、退職金の差額を支払うこととなりましたが、この差額については課税上どのように取り扱うのでしょうか。

【回答要旨】

 退職により退職金の支払を受けた者が、その後退職給与規程の改訂等により退職金の差額の支払を受ける場合には、所得税法施行令第77条《退職所得の収入の時期》の規定により、最初に退職金の支払を受けるべき日の属する年分の収入金額として取り扱われます(所得税基本通達36-11(2))。
 居住者となる前に退職した者が支払を受ける改訂差額についても、この取扱いを準用して、非居住者に対する退職金の改訂差額の支払と取り扱うのが相当です。
 なお、改訂差額に係る国内源泉所得の金額は所得税基本通達161-41《勤務等が国内及び国外の双方にわたって行われた場合の国内源泉所得の計算》により計算することとなります。

【関係法令通達】

 所得税法第161条第1項第12号ハ、所得税法施行令第77条、所得税基本通達36-11(2)、161-41

注記
 令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。