当社の取締役Aは、来年3月末に当社の取締役を退任する予定です。
そこで、当社においては、本年12月の株主総会において、Aが退任した場合に退職慰労金を支給する旨及びこの退職慰労金の支給金額の計算方法(注)に関する株主総会決議を行いました。
Aが取締役を退任した後、当社は、この計算方法に基づき算出した金額を退職慰労金としてAに支給する予定であり、株主総会等の決議を行う予定はありません。
この場合、Aに支給される退職慰労金の収入すべき時期はいつでしょうか。
(注)退任時の報酬月額に退任までの勤続年数を基に役位ごとに定めた一定の割合を乗じて計算します。
Aに支給される退職慰労金の収入すべき時期は退任の日です。
Aに支給される退職慰労金は、Aが取締役を退任したことにより支払われていますので、退職所得に該当します。
退職所得の収入すべき時期は、その支給の基因となった退職の日によるものとされていますが、役員に支払われる退職手当等で、その支給について株主総会その他正当な権限を有する機関の決議を要するものについては、その役員の退職後その決議があった日とされています。
Aに支給される退職慰労金については、本年12月の株主総会においてその支給について決議され、Aの退任後には株主総会等の決議を行わないとのことですので、その収入すべき時期は、その支給の基因となったAの退任の日となります。
所得税法第30条1項、第36条、所得税基本通達36−10
注記
令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。