【照会要旨】

 A社は、雇用を通じて少年院出院者等の改善更生を助ける協力雇用主として、少年院出院者等を雇用していますが、接遇やマナー、社会教養を身につけることは、顧客や取引先、あるいは社内において円滑な関係を構築し、ひいては、長期的な就労に資すると考えられることから、今般、これらの者に接遇・マナー・社会教養に関する講座を受講させることとしました。
 この接遇・マナー・社会教養に関する講座の受講料を会社が負担した場合、その従業員に対する給与等として課税すべきですか。

【回答要旨】

 給与等として課税しなくて差し支えありません。

 使用人本人が負担すべき費用を会社が負担した場合には、その使用人に対して費用相当額の給与等が支払われたものとして課税する必要があります。
 しかしながら、お尋ねのように、使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、使用人にその使用人としての職務に直接必要な知識を習得させるための研修会、講習会等の出席費用等に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、給与等として課税しなくて差し支えありません(所得税基本通達36-29の2)。

【関係法令通達】

 所得税法第36条第1項、所得税基本通達36-29の2

注記
 令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。