【照会要旨】

 A社では、通勤に係る支出と住宅に係る支出との負担関係がおおむね反比例になることから、通勤手当と住宅手当を合算して住宅通勤手当として定額支給することを検討しています。
 この場合、通勤費実費相当額(最高150,000円)については、非課税の通勤手当として認められますか。

【回答要旨】

 給与明細書等において、通勤費の実費部分の額が通常の給与に加算して支給される通勤手当として区分識別できるのであれば、所得税法第9条第1項第5号《非課税所得》に規定する非課税の通勤手当として認められます。

 照会の場合は、通勤費と住宅費が代替関係あるいは補完関係にあることに着目して無秩序な通勤手当の支出の増大に歯止めをかける趣旨で、いわば通勤手当と住宅手当との合計額の上限を定額としようとするものと思われます。この場合、定額の範囲内で支給される通勤費の実費が、最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤経路及び方法による運賃等の額であり、かつ、その部分の金額が区分識別し得るものであれば、通常の給与に加算して受ける通勤手当に該当するものとして認めて差し支えないものと考えられます。
 なお、その手当の支給に当たって、通勤費の実費部分について通勤手当として加算した旨を明確に表示する必要があります。したがって、例えば、「住宅通勤手当45,000円(うち通勤手当28,000円)」などといった表示が必要となります。

【関係法令通達】

 所得税法第9条第1項第5号、所得税法施行令第20条の2

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。