(課税価格に算入されない住宅資金非課税限度額の算定)
70の2-1の2 贈与により措置法第70条の2第2項第5号に規定する住宅取得等資金(以下70の2-14までにおいて「住宅取得等資金」という。)を取得した年分に係る同条第1項に規定する住宅資金非課税限度額(以下70の2-1の2において単に「非課税限度額」という。)は、既に同項の規定の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額がある場合には、同条第2項第6号イ又はロに定める金額(以下70の2-1の2において「6号非課税限度額」という。)から当該算入しなかった金額を控除して算定することに留意する。
 なお、贈与により取得した住宅取得等資金で同条第1項各号の新築等(新築、取得又は増改築等(同項第4号に規定する増改築等をいう。以下70の2-11までにおいて同じ。)をいう。以下70の2-2までにおいて同じ。)をした住宅用の家屋が、同条第2項第6号イ又はロのいずれの場合に該当するかの判定は、当該新築等をした直後の住宅用の家屋がいずれの場合に該当するかにより行い、同号イ又はロに規定する「最初に前項の規定の適用を受けようとする住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年」の判定は、同号イ又はロの区分ごとに行うことに留意する。
(注) 同一年中に贈与により取得した住宅取得等資金で同条第1項各号の新築等をした住宅用の家屋で同条第2項第6号イの場合に該当するものと同号ロの場合に該当するものがある場合には、納税者の選択により同号イ又はロに定めるいずれかの金額を6号非課税限度額として当該納税者の非課税限度額を計算して差し支えない。

(新設)

(説明)
 平成24年度税制改正により、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置(措法70の2)が改正され、住宅の種類又は住宅取得等資金の贈与を受けた年により住宅資金非課税限度額が異なることとされた。
 ところで、改正されたこの非課税措置は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に住宅取得等資金を贈与により取得した場合に適用されるのであるが、措置法第70条の2第2項第6号柱書において住宅資金非課税限度額は、特定受贈者ごとに同号イ又はロそれぞれに定める金額とされている。また、同条第1項においては、既に同項の規定の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額がある場合には、当該算入しなかった金額を控除した残額が住宅資金非課税限度額とされている。
 通達においては、住宅資金非課税限度額の定義が、同項及び同条第2項第6号のいずれにも規定されていることから、住宅資金非課税限度額として贈与税の課税価格に算入しないことが可能とされる限度額の具体的な計算方法を留意的に示したものである。
 つまり、同条第1項の住宅資金非課税限度額は、同条第2項第6号に規定する住宅資金非課税限度額(以下「6号非課税限度額」という。)から既に同条第1項の規定の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額がある場合には当該算入しなかった金額を控除して算定することとなる。
 また、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に贈与により取得した住宅取得等資金により同項各号の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」という。)した家屋が複数の種類(省エネ等住宅(措置法令第40条の4の2第6項の規定により証明がされた住宅をいう。)と一般住宅(省エネ等住宅以外の住宅をいう。))に該当するものである場合には、措置法第70条の2第2項第6号イ又はロに規定する「最初に前項の規定の適用を受けようとする住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年」の判定は、当該住宅用の家屋の種類ごとに行うことを通達のなお書にて留意的に明らかにした。
 なお、(注)においては、同一年中に同号イに該当する住宅用の家屋及び同号ロに該当する住宅用の家屋を新築等した場合には、6号非課税限度額が同号イ又はロに定める金額となるが、その場合には、納税者の選択により同号イ又はロに定めるいずれかの金額を6号非課税限度額として当該納税者の同条第1項の住宅資金非課税限度額を計算して差し支えないこととした。

(注) 措置法規則第23条の5の2第7項第1号イ(1)(C)においては、同号イ及びロに掲げる場合のいずれにも該当する場合には同号イ又はロに掲げるいずれかの金額を贈与税の申告書に記載することとされている。

(国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類等)
70の2-11 措置法規則第23条の5の2第5項第1号イからニまでに規定する国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類とは、措置法第70条の2第1項の規定の適用を受けようとする者から措置法規則第23条の5の2第5項の証明の申請を受けた建築士(建築士法(昭和25年法律第202号)第23条の3第1項((登録の実施))の規定により登録された建築士事務所に属する建築士に限るものとし、当該申請に係る住宅用の家屋が同法第3条((一級建築士でなければならない設計又は工事監理))第1項各号に掲げる建築物であるときは一級建築士に、同法第3条の2((一級建築士又は二級建築士でなければできない設計又は工事監理))第1項各号に掲げる建築物であるときは一級建築士又は二級建築士に限るものとする。)、指定確認検査機関(建築基準法(昭和25年法律第201号)第77条の21((指定の公示等))第1項に規定する指定確認検査機関をいう。以下70の3-11までにおいて同じ。)、登録住宅性能評価機関(住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第5条((住宅性能評価))第1項に規定する登録住宅性能評価機関をいう。以下70の3-11までにおいて同じ。)又は住宅瑕疵担保責任保険法人(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成19年法律第66号)第17条((指定))第1項に規定する住宅瑕疵担保責任保険法人をいう。以下70の3-11までにおいて同じ。)が、平成24年3月31日付国土交通省告示第391号の別表で定める書式により、当該申請に係る工事が相続税法の施行地内で行われるもので、措置法令第40条の4の2第3項第1号に規定する増築、改築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替、同項第2号に規定する修繕若しくは模様替、同項第3号に規定する修繕若しくは模様替又は同項第4号に規定する修繕若しくは模様替に該当する旨を証するものをいい、措置法規則第23条の5の2第5項第1号ホに規定する国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類とは、措置法第70条の2第1項の規定の適用を受けようとする者から措置法規則第23条の5の2第5項の証明の申請を受けた指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関又は住宅瑕疵担保責任保険法人が平成24年3月31日付国土交通省告示第391号の別表で定める書式により、当該申請に係る工事が相続税法の施行地内で行われるもので、措置法令第40条の4の2第3項第5号に規定する修繕若しくは模様替に該当する旨を証するものをいうことに留意する。
(注) 措置法令第40条の4の2第3項第5号に規定する修繕若しくは模様替に該当する工事は、措置法第70条の3第1項の規定の適用対象となる増改築等に該当しないが、措置法第70条の2第1項の規定の適用対象となる増改築等には該当することに留意する

※ 太字部分が改定部分です。

(改正)

(説明)
 平成24年度税制改正により、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置(措法70の2)が改正され、当該非課税措置の対象となる増改築等工事に、一定の省エネ基準又は耐震基準に適合させるための修繕又は模様替が追加されることとなった(措令40の4の23五)。これに伴い、措置法令第40条の4の2第3項(措置法規則第23条の5の2第5項)及び措置法令第40条の5第3項(措置法規則第23条の6第5項)に係る告示が改正されたことからその整備を行うものである。
 当該告示の主な改正内容は、措置法令第40条の4の2第3項第1号〜第4号の工事及び措置法令第40条の5第3項第1号〜第4号の工事については、証明主体に指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関又は住宅瑕疵担保責任保険法人を追加し(改正前は建築士のみ)、措置法令第40条の4の2第3項第5号の工事については、証明主体を指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関又は住宅瑕疵担保責任保険法人と定めた。
 本通達では、この内容を留意的に明らかにした。
 また、本通達の(注)においては、この平成24年度税制改正により追加された措置法令第40条の4の2第3項第5号の工事は、措置法第70条の3第1項の規定の適用対象となる増改築等に該当しないが、措置法第70条の2第1項の規定の適用対象となる増改築等には該当することとなり、範囲が異なるため、そのことを留意的に明らかにした。