問 被相続人甲は、自己の所有する土地(400平方メートル)の上に建物1棟を所有し、その建物で日用品小売業を営んでいた。
 配偶者乙は、この土地の共有持分の4分の3と建物の全部を相続により取得し、甲が営んでいた日用品小売業を承継して、申告期限まで引き続き営んでいる。
 また、子丙は、土地の共有持分の4分の1を相続により取得したが、甲が営んでいた日用品小売業を承継していない。
 乙及び丙は、この宅地等の一部(50平方メートル)について隣地所有者から譲渡してほしいとの申込みを受けたことから、申告期限までに譲渡契約を締結し、引渡しを完了した。
 乙が相続により取得した宅地等のうち譲渡をしていない部分について、小規模宅地等の特例の適用を受ける場合、相続税の申告書第11・11の2表の付表2の1(小規模宅地等についての課税価格の計算明細(その1))、第11・11の2表の付表2の2(小規模宅地等についての課税価格の計算明細(その2))及び第11・11の2表の付表2の3(小規模宅地等についての課税価格の計算明細(その3))の記載はどのようにすればよいか。

図


 特定事業用宅地等に該当するためには、「申告期限まで引き続き当該宅地等を有していること」という要件がある(措法69の4まる3一)。
 したがって、相続人が相続税の申告期限までに相続により取得した宅地等の一部を譲渡している場合には、譲渡した部分は特定事業用宅地等に該当しないこととなるが、残りの部分については要件を満たしている限り特定事業用宅地等に該当することとなる。
 本件の場合は、乙が申告期限まで引き続き保有している部分(土地:{(400平方メートル×3/4)−(50平方メートル×3/4)}=262.5平方メートル)は、特定事業用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができる。
 なお、相続税の申告書第11・11の2表の付表2の1(小規模宅地等についての課税価格の計算明細(その1))、第11・11の2表の付表2の2(小規模宅地等についての課税価格の計算明細(その2))及び第11・11の2表の付表2の3(小規模宅地等についての課税価格の計算明細(その3))の記載は次頁のとおり。

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