(特例の対象とならない資産保有型会社又は資産運用型会社の意義)

70の7−11 措置法第70条の7第2項第1号ロの要件を判定する場合において、同項第8号に規定する資産保有型会社に該当するかどうかの判定は、特例対象贈与の日の属する事業年度の直前の事業年度の開始の日から当該特例対象贈与に係る贈与税の申告期限までの間のいずれかの日において次の(1)に掲げる算式を満たすかどうかにより行い、同項第9号に規定する資産運用型会社に該当するかどうかの判定は、特例対象贈与の日の属する事業年度の直前の事業年度の開始の日から当該特例対象贈与に係る贈与税の申告期限までの間に終了するいずれかの事業年度において次の(2)に掲げる算式を満たすかどうかにより行うのであるが、これらの会社のうち措置法令第40条の8第5項第1号及び第2号の要件のすべてに該当するものに係る非上場株式等が、措置法第70条の7第1項の適用対象とならないことに留意する。

(1) ((B+C)÷(A+C))>=(70÷100)

A=当該いずれかの日における当該会社の総資産の貸借対照表に計上されている帳簿価額の総額

B=当該いずれかの日における当該会社の特定資産現金、預貯金その他の資産であって措置法規則第23条の9第14項に規定するものをいう。以下70の7−11において同じ。)の貸借対照表に計上されている帳簿価額の合計額

C=当該いずれかの日以前5年以内において経営承継受贈者及び当該経営承継受贈者と特別の関係がある者(措置法令第40条の8第10項に規定する者をいう。)がその会社から受けた次のa及びbに掲げる額の合計額

a (省略)

b 当該会社から支給された給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含み、特例対象贈与の時前に支給されたものを除く。)の額のうち、法人税法(昭和40年法律第34号)第34条((役員給与の損金不算入))又は第36条((過大な使用人給与の損金不算入))の規定により当該会社の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないこととなる金額

(注) 措置法第70条の7第2項第8号に規定する資産保有型会社に該当するかどうかの判定において、措置法令第40条の8第20項第2号に規定する法人税法第34条又は第36条の規定により当該会社の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないこととなる金額がある場合で、当該損金の額に算入されないこととなる金額が、特例対象贈与の時前又は特例対象贈与の時以後のいずれに属するものか区分することができないときは、当該区分することができない金額を特例対象贈与の日の属する事業年度の開始の日から特例対象贈与の日の前日までの日数と特例対象贈与の日から当該事業年度の末日までの日数がそれぞれ当該事業年度の日数に占める割合によりあん分する。この場合において、あん分後の金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てて差し支えない。

(2) (省略)

※下線部分が改正部分である。(改正)

(説明)

 平成22年度税制改正において、措置法第70条の7第2項第8号に規定する資産保有型会社(以下70の7−11の2までにおいて「資産保有型会社」という。)に該当するかどうかの判定要件について以下のとおり規定が整備されたことに伴い、通達の関係箇所について所要の改正を行った。

(注)今回の改正は、規定の明確化であり、これまでの取扱いを変更したものでないことに留意する。

1  会社の資産の帳簿価額の意義の明確化
 資産保有型会社に該当するかどうかを判定する場合の会社の資産の帳簿価額とは、会社の貸借対照表に計上されている帳簿価額であることが明記された(措法70の72八イロ)。

2  措置法第70条の7第2項第8号ロに規定する特定資産の範囲の明確化

(1) 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則(平成21年経済産業省令第22号)(以下「円滑化法規則」という。)第1条第12項第2号ロが改正され、措置法第70条の7第2項第1号に規定する認定贈与承継会社(以下70の7−34までにおいて「認定贈与承継会社」という。)が現に自ら使用していない不動産の範囲について、不動産の一部につき現に自ら使用していない場合には、当該自ら使用していない一部分に限ることが明記された(措法70の72八ロ、措規23の914)。
(2) 円滑化法規則第1条第12項第2号ホが改正され、現金、預貯金その他これらに類する資産には、措置法第70条の7第2項第3号に規定する経営承継受贈者(以下70の7の4−11までにおいて「経営承継受贈者」という。)及び当該経営承継受贈者と措置法令第40条の8第10項に規定する特別の関係がある者に対する貸付金、未収金その他これらに類する資産が含まれることが明記された(措法70の72八ロ、措令40の810、措規23の914)。

3  会社から支給された給与の意義の明確化
 資産保有型会社に該当するかどうかを判定する場合の措置法第70条の7第2項第8号ハに規定する剰余金の配当等の額その他会社から受けた金額として措置法令第40条の8第20項第2号に規定する「給与」には、債務の免除による利益その他の経済的な利益が含まれることが明記された(措令40の820二)。

 なお、通達の「b」の(注)では、資産保有型会社に該当するかどうかの判定において、措置法令第40条の8第20項第2号に規定する法人税法第34条又は第36条の規定により認定贈与承継会社の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されない金額で、当該損金の額に算入されない金額の発生源泉である給与等の支払日が特定できず、当該金額が、経営承継受贈者が贈与を受けた時前に属するものか、当該贈与の時以後に属するものか区分することができない場合があることから、そのような場合には、当該区分することができない金額を当該贈与の日の属する認定贈与承継会社の事業年度の開始の日から当該贈与の日の前日までの日数と当該贈与の日から当該事業年度の末日までの日数がそれぞれ事業年度の日数に占める割合によりあん分して取り扱うこととした。

(認定贈与承継会社から支給された給与等の意義)

70の7−11の2 措置法令第40条の8第20項第2号に規定する「給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、特例受贈非上場株式等に係る認定贈与承継会社(以下70の7−11の2において「当該認定贈与承継会社」という。)から特例受贈非上場株式等に係る経営承継受贈者及び当該経営承継受贈者と特別の関係がある者(措置法令第40条の8第10項に規定する者をいう。)(以下70の7−11の2において「当該経営承継受贈者等」という。)に対し支給された給与(当該認定贈与承継会社の使用人としての給与を含む。)及び当該経営承継受贈者等に対しもたらされた経済的な利益(所得税法(昭和40年法律第33号)上経済的な利益として課税されないものを除き、当該認定贈与承継会社が例えば次に掲げる行為をした場合のように、その行為をしたことにより当該認定贈与承継会社から当該経営承継受贈者等に対し実質的に給与が支給されたと同様の経済的効果がもたらされる利益をいう。)をいい、明らかに株主等の地位に基づいて取得したと認められるもの及び香典又は災害等の見舞金など社交上の必要によるもので、その金額が社会的地位、当該認定贈与承継会社と当該経営承継受贈者等との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものは除かれることに留意する。

  • (1) 当該経営承継受贈者等に対して有する債権の放棄をし又は免除をした場合(貸倒れに該当する場合を除く。)
  • (2) 当該経営承継受贈者等に対して物品その他の資産の贈与をした場合
  • (3) 当該経営承継受贈者等に対して資産を低い価額で譲渡した場合
  • (4) 当該経営承継受贈者等から高い価額で資産を買い入れた場合
  • (5) 当該経営承継受贈者等から債務を無償で引き受けた場合
  • (6) 当該経営承継受贈者等に対してその居住の用に供する土地又は家屋を無償又は低い価額で提供した場合
  • (7) 当該経営承継受贈者等に対して金銭を無償又は通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合
  • (8) 当該経営承継受贈者等に対して無償又は低い対価で上記(6)及び(7)に掲げるもの以外の用役の提供をした場合
  • (9) 当該経営承継受贈者等に対して機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、当該認定贈与承継会社の業務のために使用したことが明らかでないものがある場合
  • (10) 当該経営承継受贈者等のために個人的費用を負担した場合
  • (11) 当該経営承継受贈者等が社交団体等の会員となるため又は会員となっているために要する当該社交団体の入会金、経常会費その他当該社交団体の運営のために要する費用で当該経営承継受贈者等が負担すべきものを当該認定贈与承継会社が負担した場合
  • (12) 当該認定贈与承継会社が当該経営承継受贈者等を被保険者及び保険受取人とする生命保険契約を締結してその保険料の額の全部又は一部を負担した場合
(新設)

(説明)

 措置法令第40条の8第20項第2号に規定する「会社から支給された給与」については、これまで、役員としての職制上の地位に基づいて支給されたものや「給与」という名称で受け取ったものに限定されるのではないか、更には、債務免除などの経済的な利益は含まれないのではないかといったことについて疑義が生じていた。
そこで、平成22年度税制改正において同号の規定が整備され、資産保有型会社を定義する措置法第70条の7第2項第8号ハに規定する剰余金の配当等の額その他会社から受けた金額として措置法令第40条の8第20項第2号に定める「会社から支給された給与」には、債務の免除による利益その他の経済的な利益が含まれることが明記された。
 通達は、新たに整備された措置法令第40条の8第20項第2号に定める「会社から支給された給与」の意義について、具体例を掲げるなどしてその内容を留意的に明らかにした。

(認定贈与承継会社等が外国会社又は医療法人の株式等を有する場合の納税猶予分の贈与税額の計算の基となる特例受贈非上場株式等の価額)

70の7−14 特例受贈非上場株式等について措置法第70条の7第1項の規定の適用を受ける場合において、贈与の時に、特例受贈非上場株式等に係る認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別関係会社(措置法令第40条の8第6項の特別の関係がある会社をいう。以下70の7−14の2までにおいて同じ。)であって当該認定贈与承継会社との間に支配関係がある法人(以下70の7−14の2までにおいて「特別支配関係法人」という。)が会社法第2条第2号に規定する外国会社(当該認定贈与承継会社の特別関係会社に該当するものに限る。以下70の7−14において同じ。)又は措置法令第40条の8第11項に定める医療法人(以下70の7−14の2までにおいて「外国会社等」という。)の株式等を有するときにおける措置法第70条の7第2項第5号に規定する納税猶予分の贈与税額(以下70の7の3−1までにおいて「納税猶予分の贈与税額」という。)の計算の基となる当該特例受贈非上場株式等の価額は、当該認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人の株式等の価額の計算において適用する評価基本通達の定めを基礎とし、次に掲げる場合の区分により計算した価額となることに留意する。
 この場合において、「当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した」価額とは、当該特例受贈非上場株式等の価額を評価基本通達の定めにより計算した価額を基礎とし、当該認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人が有していなかったものとされる外国会社等の株式等の価額及び当該外国会社から受けた配当金に相当する金額を除外したところで計算した場合の当該株式等の価額とする。

(1) 当該認定贈与承継会社が外国会社等の株式等を有する場合
当該認定贈与承継会社が当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した価額

(注) 上記価額の計算に当たっては、当該外国会社等との間に支配関係がある他の外国会社等の株式等について考慮する必要がないことに留意する。

(2) 当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人が外国会社等の株式等を有する場合(当該特別支配関係法人が上記(1)の認定贈与承継会社が有する株式等に係る外国会社等である場合を除く。)
 当該特別支配関係法人が当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した当該特別支配関係法人の株式等の価額を基に当該認定贈与承継会社の株式等の価額を計算して得た価額

(注) 上記価額の計算に当たっては、当該外国会社等との間に支配関係がある他の外国会社等の株式等について考慮する必要がないことに留意する。

(新設)

(説明)

 平成22年度税制改正により、措置法第70条の7第1項に規定する特例受贈非上場株式等(以下70の7−34までにおいて「特例受贈非上場株式等」という。)について同項の規定の適用を受ける場合において、贈与の時に、特例受贈非上場株式等に係る認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別関係会社(措置法令第40条の8第6項の特別の関係がある会社をいう。以下同じ。)であって当該認定贈与承継会社との間に支配関係(措置法令第40条の8第7項に規定する関係をいう。以下同じ。)がある法人(以下「特別支配関係法人」という。)が会社法第2条第2号に規定する外国会社(当該認定贈与承継会社の特別関係会社に該当するものに限る。)又は措置法令第40条の8第11項に定める医療法人(以下「外国会社等」という。)の株式等を有するときにおける措置法第70条の7第2項第5号に規定する納税猶予分の贈与税額(以下「納税猶予分の贈与税額」という。)の計算の基となる当該特例受贈非上場株式等の価額は、当該認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人が当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した価額とされた(措法70の72五)。

  • (注)1 措置法令第40条の8第7項に規定する支配関係とは、会社が他の法人の発行済株式又は出資(当該他の法人が有する自己の株式等を除く。以下この(注)の1において「発行済株式等」という。)の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式等を保有する場合における当該会社と他の法人との間の関係(以下この(注)の1において「直接支配関係」という。)をいう。この場合において、当該会社及び当該会社との間に直接支配関係がある一若しくは二以上の他の法人又は当該会社との間に直接支配関係がある一若しくは二以上の他の法人がその他の法人の発行済株式等の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式等を保有するときは、当該会社は当該その他の法人の発行済株式等の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式等を保有するものとみなされる(措令40の87)。
  • 2  措置法令第40条の8第11項に定める医療法人とは、認定贈与承継会社並びに当該認定贈与承継会社の代表権を有する者及び当該代表権を有する者と同条第6項各号に掲げる特別の関係がある者が有する医療法人の議決権の数の合計が、当該医療法人の総社員の議決権の数の100分の50を超える数である場合における当該医療法人をいう(措令40の811)。

 この場合において、認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人が「当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した」価額とは、具体的には、認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人の株式等の価額の計算において適用する評価基本通達の定めを基礎とし(評価基本通達178((取引相場のない株式の評価上の区分))の大会社、中会社、小会社の区分、又は同通達189((特定の評価会社の株式))に掲げる区分はそのままの区分を適用)、次に掲げる場合の区分により計算した価額となる。通達は、その旨を留意的に明らかにした。

  1. (1) 認定贈与承継会社が外国会社等の株式等を有する場合
    認定贈与承継会社が当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した価額
    (注)上記価額の計算に当たっては、当該外国会社等との間に支配関係がある他の外国会社等の株式等について考慮する必要はない。
  2. (2) 認定贈与承継会社の特別支配関係法人が外国会社等の株式等を有する場合(当該特別支配関係法人が上記(1)の認定贈与承継会社が有する株式等に係る外国会社等である場合を除く。)
     認定贈与承継会社の特別支配関係法人が当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した当該特別支配関係法人の株式等の価額を基に当該認定贈与承継会社の株式等の価額を計算して得た価額
    (注)上記価額の計算に当たっては、当該外国会社等との間に支配関係がある他の外国会社等の株式等について考慮する必要はない。

 なお、認定贈与承継会社等の株式等の価額の計算に当たって、「外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算」をする場合に、具体的にどの金額を控除するのかについては、法令上特段の定めがないことから、通達において、特例受贈非上場株式等の価額を評価基本通達の定めにより計算した価額を基礎とし、1当該認定贈与承継会社又は当該認定贈与承継会社の特別支配関係法人が有していなかったものとされる外国会社等の株式等の価額及び2当該外国会社から受けた配当金に相当する金額のみを除外したところで(再)計算した場合の当該株式等の価額を「当該外国会社等の株式等を有していなかったものとして計算した」価額として取り扱うこととした。

(注) 上記の計算において、評価基本通達178((取引相場のない株式の評価上の区分))の大会社、中会社、小会社の区分、又は同通達189((特定の評価会社の株式))に掲げる区分はそのままの区分を適用することに留意する。

例1の図
例1は、上記(1)に該当するため、納税猶予分の贈与税額の計算の基となる特例受贈非上場株式等の価額は、甲社がA社株式を保有していなかったものとして、1A社株式の価額及び2A社から受けた配当金に相当する金額を控除して、(甲社の評価区分はそのままで)(再)計算して得た価額となる。
例2の図
例1と同じ計算となる。
なお、例2について、特別支配関係法人Bは、納税猶予分の贈与税額の計算の基となる特例受贈非上場株式等の価額の計算において考慮する必要がないことに留意する(上記(1)の(注)参照)。
例3の図
例3は、上記(2)に該当するため、納税猶予分の贈与税額の計算の基となる特例受贈非上場株式等の価額は、1まず、A社がB社株式を保有していなかったものとして、B社株式の価額及びB社から受けた配当金に相当する金額を控除して、(A社の評価区分はそのままで)A社株式の価額を(再)計算し、2その後、その(再)計算して得たA社株式の価額を基に、(甲社の評価区分はそのままで)甲株式の価額を(再)計算して得た価額となる。
例4の図
例3と同じ計算となる。
なお、例4について、特別支配関係法人Cは、納税猶予分の贈与税額の計算の基となる特例受贈非上場株式等の価額の計算において考慮する必要がないことに留意する(上記(2)の(注)参照)。

(参考1)

参考1の図

【留意事項】

  1. 1 認定贈与承継会社の特別関係会社であって、当該認定贈与承継会社と支配関係がある会社(認定贈与承継会社の特別関係会社に該当するものに限る。)に該当する範囲とは、上記の図中、A社、B社及びC社となる。
  2. 2 措置法令第40条の8第11項に定める医療法人に該当する範囲とは、上記の図中、A社、B社、C社及びD社となる。
    (注)法令上、医療法人には、「(当該認定贈与承継会社の特別関係会社に該当するものに限る。)」との規定がなく、「政令で定める法人」と規定されていることに留意。
(参考2)納税猶予税額を算出する際の基となる株式等の価額
  認定(贈与・相続)承継会社及び当該会社の特別関係会社(支配関係があるものに限る。)が一定の外国会社の株式等又は医療法人の出資を保有しているか否かの有無
【措法70の7】
贈与税の納税猶予の特例の適用を受ける場合の特例受贈非上場株式等の価額
贈与時の価額 外国会社の株式等又は医療法人の出資を保有していなかったものとして計算した価額
【措法70の7の2】
相続税の納税猶予の特例の適用を受ける場合の特例非上場株式等の価額
相続開始時の価額
(※)経過措置(平21年改正法附則64)により、特定受贈同族会社株式等又は特定同族株式等について相続税の納税猶予(措法70条の7の21)の適用を受ける場合の特例非上場株式等である選択特定受贈同族会社株式等又は選択特定同族株式等の価額 贈与時の価額 贈与時の価額
【措法70の7の4】
非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予(措法70条の7の41)の特例の適用を受ける場合の特例相続非上場株式等の価額
措法70条の7の3第1項の規定により相続税の課税価格の計算の基礎に算入された価額(贈与時の価額を基礎として計算した価額) 措法70条の7の3第1項の規定により相続税の課税価格の計算の基礎に算入された価額(贈与時の価額を基礎として計算した価額)を基に、外国会社の株式等又は医療法人の出資を保有していなかったものとして措置規則23条の12第3項の規定に基づき計算した価額
平成22年4月前に贈与を受けた株式等について改正前の措法70条の71の規定の適用を受けている場合において非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予(措法70条の7の41)の特例の適用を受ける場合の特例相続非上場株式等の価額 措法70条の7の3第1項の規定により相続税の課税価格の計算の基礎に算入された価額(贈与時の価額を基礎として計算した価額)を基に、外国会社の株式等又は医療法人の出資を保有していなかったものとして平成22年改正措置規則附則22条第3項の規定に基づき計算した価額

(参考3)

(参考3)認定会社が外国会社等の株式等を有する場合における納税猶予税額の基となる株式等の価額の計算方法のイメージの図

(認定贈与承継会社から受けた給与等の意義)

70の7−26の2 措置法令第40条の8第24項第5号に規定する「給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)」の意義については、70の7−11の2((認定贈与承継会社から支給された給与等の意義))を準用する。
 この場合において、70の7−11の2中「措置法令第40条の8第20項第2号」とあるのは「措置法令第40条の8第24項第5号」と、「経営承継受贈者及び当該経営承継受贈者と特別の関係がある者(措置法令第40条の8第10項に規定する者をいう。)(以下70の7−11の2において「当該経営承継受贈者等」という。)」とあるのは「贈与者(当該認定贈与承継会社の役員(代表権を有する者を除く。)である場合に限る。)(以下70の7−26の2において「当該贈与者」という。)」と読み替えて適用することに留意する。

(新設)

(説明)

 非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)においては、措置法第70条の7第2項第6号に規定する経営贈与承継期間内に、特例受贈非上場株式等に係る贈与者(当該特例非上場株式等に係る認定贈与承継会社の役員(代表権を有する者を除く。)である者に限る。)が、当該認定贈与承継会社から給与の支給を受けた場合には、租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(平成22年政令第58号)による改正前の租税特別措置法施行令第40条の8第23項第5号の規定により、当該支給を受けた日から2月を経過する日(当該支給を受けた日から2月を経過する日までの間に当該経営承継受贈者が死亡した場合には、当該経営承継受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該経営承継受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日をいう。)に納税の猶予に係る期限が到来することとされている。
 平成22年度税制改正において、この措置法施行令第40条の8第24項第5号の規定が整備され、当該認定贈与承継会社から支給を受けた「給与」には、債務の免除による利益その他の経済的な利益が含まれることが明記されたことから、通達において、当該給与等の意義について留意的に明らかにした。
 なお、通達は、同号に規定する「給与」の意義が措置法令第40条の8第20項第2号に規定する「給与」の意義と同義であることから、70の7−11の2((認定贈与承継会社から支給された給与等の意義))を準用することとした。

(既に非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例等の適用を受けている他の者がいる場合等)

70の7−34 認定贈与承継会社の非上場株式等について、措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けようとする場合において、同項の規定の適用を受けようとする者以外の者が当該認定贈与承継会社の非上場株式等について次に掲げるいずれかの規定の適用を現に受けているときは、同項の規定の適用を受けることができないことに留意する。

  1. (1) 措置法第70条の7第1項
  2. (2) 措置法第70条の7の2第1項
  3. (3) 措置法第70条の7の4第1項
  • (注)1 措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けようとする者が当該認定贈与承継会社の非上場株式等について上記(1)から(3)までのいずれかの規定の適用を受けている場合又は同法第70条の7の2第16項第2号の規定の適用に係る贈与により当該認定贈与承継会社の非上場株式等の取得をした者である場合には、同法第70条の7第1項の規定の適用を受けることができることに留意する。
  • 2  上記の措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けることができるかどうかの判定は、認定贈与承継会社ごとに行うことに留意する。
※下線部分が改正部分である。(改正)

(説明)

 平成22年度税制改正において、措置法第70条の7第8項の規定については、「第1項の規定は、贈与者から贈与により取得をした非上場株式等に係る会社の株式等について、同項の規定の適用を受けている他の経営承継受贈者又は次条第1項の規定の適用を受けている同条第2項第3号に規定する経営承継相続人等若しくは第70条の7の4第1項の規定の適用を受けている同条第2項第3号に規定する経営相続承継受贈者がある場合(第1項の規定の適用を受けようとする者が、当該経営承継相続人等若しくは当該経営相続承継受贈者又は次条第16項(第2号に係る部分に限る。)の規定の適用に係る贈与により当該会社の株式等の取得をした者である場合を除く。)には、当該非上場株式等については、適用しない。」と改正され、措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けようとする経営承継受贈者が同法第70条の7の2第16項第2号の規定の適用に係る贈与により当該認定贈与承継会社の非上場株式等の取得をした者である場合には、当該贈与に係る贈与者が、同法第70条の7の2第1項(非上場株式等についての相続税の納税猶予)の規定の適用を現に受けている場合であっても、当該経営承継受贈者は、同法第70条の7第1項(非上場株式等についての贈与税の納税猶予)の規定の適用を受けることができるよう規定が整備されたことから、通達の(注)1について所要の改正を行った。
 この結果、措置法第70条の7の2第1項(非上場株式等についての相続税の納税猶予)の規定の適用を受ける経営承継相続人等から次の後継者である経営承継受贈者に対し認定承継会社の特例非上場株式等の一部について同条第16項第2号の規定の適用に係る贈与がなされ、当該次の後継者である経営承継受贈者が、当該贈与を受けた特例受贈非上場株式等について措置法第70条の7第1項の規定に基づき非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例の適用を受けた場合には、同一の会社について経営承継相続人等と次の後継者である経営承継受贈者の二人が並行してそれぞれ非上場株式等についての納税猶予の特例の適用を受けることとなる。
 なお、上記は、措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けようとする経営承継受贈者が同法第70条の7の4第12項において準用する同法第70条の7の2第16項第2号の規定の適用に係る贈与により当該認定贈与承継会社の非上場株式等の取得をした者である場合も同様であり、当該贈与に係る贈与者が、同法第70条の7の4第1項(非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予)の規定の適用を現に受けている場合であっても、当該経営承継受贈者は、同法第70条の7第1項(非上場株式等についての贈与税の納税猶予)の規定の適用を受けることができる。

(参考)

参考例の図