(営農困難時貸付けが行われている特例適用農地等について相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額)

70の5-4 措置法第70条の4第21項の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者に係る同条第1項に規定する贈与者が死亡した場合において、措置法第70条の5第1項の規定の適用を受ける措置法第70条の4第21項に規定する営農困難時貸付け(以下70の5-4において「営農困難時貸付け」という。)が行われている農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、当該贈与者の死亡の日における貸付けの態様に応じた当該農地等の時価によることに留意する。

(注) 営農困難時貸付けが行われていた農地等について、措置法令第40条の7第52項の規定により措置法第70条の6第1項の規定の適用を受けようとする場合に、当該農地等に係る贈与者の死亡の日において、当該農地等につき新たな営農困難時貸付けが行われていないときの当該農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、当該贈与者の死亡の日における当該農地等の時価によることに留意する。

(新設)

(説明)

 営農困難時貸付けの適用を受ける受贈者に係る特例適用農地等の贈与者が死亡した場合には、それまで納税猶予を受けていた贈与税は免除される。その免除の適用を受けた営農困難時貸付けが行われている農地等を含む特例適用農地等については、措置法第70条の5第1項の規定により、その受贈者が死亡した贈与者(被相続人)から相続又は遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税対象となるが、農業用施設用地など一定のものを除き、相続税の納税猶予の規定の適用を受けることができることとされている。
 ところで、贈与税の納税猶予における営農困難時貸付けが行われている農地等について、措置法第70条の5第1項の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる場合において、当該営農困難時貸付けが行われている農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、措置法第70条の4第21項において、当該農地等に係る権利設定はなかったものとみなされ、また、措置法第70条の6第29項において準用する同条第28項の規定により受贈者が被相続人の死亡の日まで農業の用に供していたものとみなされることから、権利設定はないものとしたところの自用地としての価額によるのではないかとの疑義が生ずる。
 しかし、措置法第70条の4第21項の規定は、同条第1項ただし書及び第4項の規定の適用について権利設定はなかったものとみなされ、また、措置法第70条の6第29項の規定は、同条第1項の規定の適用について受贈者の農業の用に供していたものとみなすこととされているものであり、相続税法第22条の規定の適用については触れられていない。そのため、営農困難時貸付けが行われている農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、当該贈与者の死亡の日における貸付けの態様に応じた当該農地等の時価によることとなる。70の5-4では、そのことを留意的に明らかにした。
 なお、営農困難時貸付けが行われていた農地等について、措置法令第40条の7第52項の規定により措置法第70条の6第1項の規定の適用を受けようとする場合に、当該農地等に係る贈与者の死亡の日において、当該農地等につき新たな営農困難時貸付けが行われていないときの当該農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額についても上記と同様であることから、注書きにおいて、当該贈与者の死亡の日における当該農地等の時価によることを留意的に明らかにした。