(営農困難時貸付けに係る権利設定に関する届出書)

70の4-86 措置法第70条の4第21項に規定する届出書は、営農困難時貸付けを行ったごとに提出しなければならないのであるから、例えば、営農困難時貸付けを行った日において2以上の契約又は農用地利用集積計画の定めるところにより営農困難時貸付けを行っている場合には、それぞれの契約又は農用地利用集積計画ごとに当該届出書を提出しなければならないことに留意する。

(注) 措置法第70条の4第22項第2号に規定する届出書及び同項第4号に規定する届出書の提出も同様であることに留意する。

(新設)

(説明)

 措置法第70条の4第21項に規定する届出書(以下「権利設定に係る届出書」という。)は、営農困難時貸付けを行ったごとに提出しなければならないこととされているが(措令40の6丸47)、営農困難時貸付けを行った日に2以上の契約又は農用地利用集積計画の定めるところにより営農困難時貸付けを行ったときには、一の届出書により提出しなければならないか疑義が生ずる。
 70の4-86は、当該届出書については、営農困難時貸付けを行ったごとに提出しなければならないことを留意的に明らかにするとともに、営農困難時貸付けを行った日に2以上の契約又は農用地利用集積計画の定めるところにより営農困難時貸付けを行ったときには、それぞれの契約又は農用地利用集積計画ごとに当該届出書を提出しなければならないことを例示として示したものである。
 また、措置法第70条の4第22項第2号及び同項第4号に規定する届出書の提出についても上記と同様であることから注書きにおいて、そのことを明らかにした。なお、貸付期限の更新があった場合には、地上権、永小作権、使用貸借による権利又は賃借権は消滅しないため措置法第70条の4第22項第2号に規定する届出書の提出は要しないことに留意が必要である(70の6の2-6((貸付期限の更新があった場合))参照)。

(営農困難時貸付けに係る権利設定に関する届出書の添付書類

70の4-87 措置法第70条の4第21項に規定する届出書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第32項第2号ニに定める書類は、営農困難時貸付けを行った特例適用農地等の所在が同号ニ(1)から(3)に掲げる地域又は区域の2以上に該当する場合には、該当する同号ニ(1)から(3)に掲げる農地保有合理化法人、農地利用集積円滑化団体又は市町村長のすべてのものの書類をいうことに留意する。

(注) 措置法第70条の4第22項に規定する届出書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第34項第1号ロ(2)に掲げる書類についても同様であることに留意する。

(新設)

(説明)

 贈与税の納税猶予に係る営農困難時貸付けは、原則として、措置法第70条の6の2第1項に掲げる貸付けにより行われるものでなければならないが、措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付けの申込みを行った日後1年を経過する日までに当該貸付けの申込みにより貸付けを行うことができなかった場合(当該貸付けの申込みを当該1年を経過する日まで引き続き行っている場合に限る。)には、当該貸付け以外の地上権、永小作権、使用貸借による権利又は賃借権の設定(以下「権利設定」という。)に基づく貸付けにより行うことができることとされている(措令40の6丸46)。
 措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付け以外の権利設定に基づく貸付けにより営農困難時貸付けが行われた場合の権利設定に関する措置法第70条の4第21項に規定する届出書に添付して提出しなければならない書類のうち措置法規則第23条の7第32項第2号ニに定める書類は、措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付けの申込みを行った日後1年を経過する日までに当該貸付けの申込みにより貸付けを行うことができなかった場合に該当するかどうかを確認するための書類であり、措置法令第40条の6第46項に規定する「貸付けの申込みを行った日後1年を経過する日までに当該貸付けを行うことができなかった場合」とは、70の4-84で示すとおり、特例適用農地等の所在が同項各号に掲げる地域若しくは区域の2以上に該当する場合には、該当する各号に掲げる農地保有合理化事業を行う法人、農地利用集積円滑化事業を行う者又は利用権設定等促進事業を行っている市町村のすべてに対して貸付けの申込みが行われている場合をいうことから、営農困難時貸付けを行った特例適用農地等の所在が措置法規則第23条の7第32項第2号ニ(1)から(3)に掲げる地域又は区域の2以上に該当する場合には、該当する同号ニ(1)から(3)に掲げる農地保有合理化法人、農地利用集積円滑化団体又は市町村長のすべてのものの書類を添付しなければならないこととなる。70の4-87は、そのことを留意的に明らかにしたものである。
 なお、措置法第70条の4第22項に規定する届出書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第34項第1号ロ(2)に掲げる書類についても上記と同様であることから注書きにおいて、そのことを留意的に明らかにした。

(措置法第70条の4第21項の権利設定があった場合の同条第1項の担保)

70の4-88 特例適用農地等が措置法第70条の4第1項に規定する担保に提供されている場合において、その特例適用農地等につき同条第21項に規定する権利設定があったときにおいても、その担保を提供した受贈者に対して国税通則法第51条第1項に規定する増担保の提供等を命ずる必要はないことに留意する。

(新設)

(説明)

 措置法第70条の4第1項に規定する担保として特例適用農地等が提供されている場合において、その特例適用農地等について営農困難時貸付けの適用を受けるため権利設定があっても、当該制度の趣旨などを踏まえ、権利設定による担保価値の減少はないものと取り扱うこととし、その担保を提供した受贈者に対して国税通則法第51条第1項に規定する増担保の提供等を命ずる必要がないことを留意的に明らかにした。

(新たな営農困難時貸付けを行うときの貸付けの申込みを継続して行う期間)

70の4-89 措置法第70条の4第21項に規定する営農困難時貸付農地等(以下70の4-93までにおいて「営農困難時貸付農地等」という。)に同条第22項に規定する耕作の放棄(以下70の4-93までにおいて「耕作の放棄」という。)又は同項に規定する権利消滅(以下70の4-93までにおいて「権利消滅」という。)があった場合において、当該営農困難時貸付農地等につき新たな営農困難時貸付けを行うときの措置法令第40条の6第46項に規定する措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付けの申込みを継続して行う期間については、当該貸付けの申込みを行った日後1月を経過する日までであることに留意する。

(注) 一時的道路用地等の用に供されていた特例適用農地等について措置法令第40条の6第55項において準用する措置法第70条の4第17項に規定する貸付期限の到来により当該特例適用農地等につき新たな営農困難時貸付けを行うときの貸付けの申込みを継続して行う期間も同様であることに留意する。

(新設)

(説明)

 贈与税の納税猶予に係る営農困難時貸付けは、原則として、措置法第70条の6の2第1項に掲げる貸付けにより行われるものでなければならないが、措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付けの申込みを行った日後1年を経過する日までに当該貸付けの申込みにより貸付けを行うことができなかった場合(当該貸付けの申込みを当該1年を経過する日まで引き続き行っている場合に限る。)には、当該貸付け以外の地上権、永小作権、使用貸借による権利又は賃借権の設定(以下「権利設定」という。)に基づく貸付けにより行うことができることとされているが(措令40の6丸46)、営農困難時貸付けを行っている特例適用農地等につき措置法第70条の4第22項に規定する耕作の放棄又は権利消滅があったときにおける新たな営農困難時貸付けを行う場合の措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付けの申込みを継続して行う期間については、措置法令第40条の6第56項の規定により当該貸付けの申込みを行った日後1月を経過する日までとされている(措令40の6丸56)。そこで、70の4-89は、そのことを留意的に明らかにしたものである。
 なお、一時的道路用地等の用に供されていた特例適用農地等について措置法令第40条の6第55項において準用する措置法第70条の4第17項に規定する貸付期限の到来により当該特例適用農地等につき新たな営農困難時貸付けを行うときの措置法第70条の6の2第1項各号に掲げる貸付けの申込みを継続して行う期間も措置法令第40条の6第56項の規定により上記と同様であることから、注書きにおいて、そのことを明らかにした。

(新たな営農困難時貸付けに関する承認申請書の添付書類)

70の4-90 措置法令第40条の6第49項に規定する申請書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第36項第1号に定める書類は、当該申請書を提出する受贈者が貸付けの申込みを行っている同号イからハに掲げる農地保有合理化法人、農地利用集積円滑化団体又は市町村長の書類をいうことに留意する。

(新設)

(説明)

 営農困難時貸付けを行っている特例適用農地等につき措置法第70条の4第22項に規定する耕作の放棄又は権利消滅があった場合には、原則として、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に耕作の放棄又は権利消滅があった特例適用農地等につき新たな営農困難時貸付けを行うか又は受贈者の農業の用に供しない場合には、納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定することとされているが、耕作の放棄又は権利消滅があった日の翌日から1年を経過する日までに新たな営農困難時貸付けを行う見込みであることにつき、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に措置法令第40条の6第49項に規定する申請書を提出して、税務署長の承認を受けたときには、納税猶予が継続する。
 措置法令第40条の6第49項に規定する申請書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第36項第1号イからハまでに定める貸付けの申込みを受けたことを証する書類は、耕作の放棄又は権利消滅があった特例適用農地等につき新たな営農困難時貸付けを行うための貸付け先を探していることを確認するための書類であることから、措置法第70条の4第21項に規定する届出書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第32項第2号ニに定める書類又は措置法第70条の4第22項に規定する届出書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第34項第1号ロ(2)に掲げる書類とは相違し、当該特例適用農地等が存する地域又は区域が措置法規則第23条の7第36項第1号イからハまで掲げる地域又は区域の2以上に該当する場合であっても、当該申請書を提出する受贈者が貸付けの申込みを行っている同号イからハに掲げる農地保有合理化法人、農地利用集積円滑化団体又は市町村長の書類で足りこととなる。70の4-90では、そのことを留意的に明らかにしたものである。

(注) 申請書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第36項第1号イからハまでに定める貸付けの申込みを受けたことを証する書類は上記のとおりであるが、営農困難時貸付けを行っている特例適用農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があったときにおいて、当該特例適用農地等につき新たな営農困難時貸付けを行う場合における措置法令第40条の6第56項において準用する同条第46項の規定の適用に当たっての「貸付けの申込みを行った日後1月を経過する日までに当該貸付けを行うことができなかった場合」とは、特例適用農地等の所在が同項各号に掲げる地域若しくは区域の2以上に該当する場合には、該当する各号に掲げる農地保有合理化事業を行う法人、農地利用集積円滑化事業を行う者又は利用権設定等促進事業を行っている市町村のすべてに対して貸付けの申込みが行われている場合をいい、措置法第70条の4第22項第4号に規定する届出書に添付して提出しなければならない措置法規則第23条の7第37項において準用する同条第34項第1号ロ(2)に掲げる書類については、耕作の放棄又は権利消滅があった特例適用農地等の所在が措置法規則第23条の7第32項第2号ニ(1)から(3)に掲げる地域又は区域の2以上に該当する場合には、該当する同号ニ(1)から(3)に掲げる農地保有合理化法人、農地利用集積円滑化団体又は市町村長のすべてのものの書類を添付しなければならない。

(営農困難時貸付けを適用した後に営農困難な状態が解消した場合)

70の4-91 措置法第70条の4第21項の規定の適用を受ける受贈者について、営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅の前に、当該営農困難時貸付農地等を当該受贈者の農業の用に供することが困難な状態が解消した場合であっても、その贈与税の納税猶予の期限は確定しないことに留意する。
 なお、当該営農困難時貸付農地等を当該受贈者の農業の用に供することが困難な状態が解消された後に、当該営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があった場合には、同項の規定の適用がなく、当該営農困難時貸付農地等を当該受贈者の農業の用に供しないときは、その贈与税の納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定することに留意する。

(新設)

(説明)

 営農困難時貸付けの規定の適用を受ける受贈者について、営農困難時貸付けを行っている期間中に、営農困難時貸付農地等を受贈者の農業の用に供することが困難な状態が解消した場合には、受贈者が自ら農業経営を行うことができることから、営農困難時貸付けに係る地上権、永小作権、使用貸借による権利又は賃借権を消滅させ、直ちに当該受贈者の農業の用に供しない場合には、納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定するのではないか疑義が生ずる。しかし、受贈者の農業の用に供することが困難な状態が解消したという事由は、納税猶予の期限が確定する事由には該当しない。そこで、70の4-91では、そのことを留意的に明らかにしたものである。
 なお、営農困難時貸付農地等を受贈者の農業の用に供することが困難な状態が解消された後に、当該営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があった場合には、当該受贈者は、特例適用農地等を自己の農業の用に供することが困難な状態には当たらないことから、たとえ、新たな貸付けを行った場合であっても、当該貸付けは営農困難時貸付けには当たらず、当該受贈者の農業の用に供しない限りにおいては、納税猶予税額の全部又は一部について納税猶予の期限が確定することとなる。70の4-91後段では、そのことを留意的に明らかにした。

(営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があった後に受贈者が死亡した場合)

70の4-92 措置法第70条の4第21項の規定の適用を受ける営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があったときにおいて、次の(1)又は(2)に掲げる場合には、当該耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等に係る納税猶予期限は確定せず、同条第33項の規定により贈与税は免除されることに留意する。
 なお、(2)の場合において、当該受贈者の死亡の日前に新たな営農困難時貸付けを行った部分又は当該受贈者の農業の用に供した部分に係る同条第22項第4号に規定する届出書がその提出期限(当該受贈者の死亡の日前に提出期限が到来しているものに限る。)までに提出されていない部分については猶予期限は確定していることに留意する。

  • (1) 耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に当該営農困難時貸付農地等に係る受贈者が死亡した場合
  • (2) 同項第3号に規定する税務署長の承認を受け、耕作の放棄又は権利消滅があった日から1年を経過する日までに、当該営農困難時貸付農地等に係る受贈者が死亡した場合

(注) 上記(1)又は(2)の場合において、耕作の放棄又は権利消滅があったときから受贈者の死亡の日までの間に、当該耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等について新たな営農困難時貸付けを行ったとき又は当該受贈者の農業の用に供したときであっても、措置法第70条の4第22項第2号又は第4号に規定する届出書の提出は要しないことに留意する。

(新設)

(説明)

 営農困難時貸付けの適用を受ける受贈者は、営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があったときに当該営農困難時貸付農地等につき、丸1新たな営農困難時貸付けを行った場合又は受贈者の農業の用に供した場合において、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に措置法第70条の4第22項第2号に規定する届出書を提出したとき、丸2当該耕作の放棄又は権利消滅があった日の翌日から1年を経過する日までに新たな営農困難時貸付けを行う見込みである場合において、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に同項第3号の規定による承認の申請をし、税務署長の承認を受けたとき、丸3丸2の承認に係る営農困難時貸付農地等につき当該耕作の放棄又は権利消滅があった日の翌日から1年を経過する日までに新たな営農困難時貸付けを行った場合又は当該受贈者の農業の用に供した場合において、これらに該当することとなった日から2月以内に同項第4号に規定する届出書を提出したときには、納税猶予は継続することとされている。
 ところで、上記の届出書又は承認の申請について、当該届出書又は承認の申請の期限前に受贈者の死亡により贈与税の免除事由が生じた場合であっても、上記丸1から丸3までに掲げる事由が生じたときには所轄税務署長に届出書の提出又は承認の申請をしなければならないのかどうか疑義が生ずる。例えば、受贈者の死亡の日前2月以内に営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があり、贈与税の納税猶予の免除後(受贈者の死亡後)に、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月目を迎え、その日までに、耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等が新たな営農困難時貸付け又は受贈者の農業の用に供されていなかったとしても、これらの事由が生じた日から2月を経過する日より前に猶予税額が免除されることから、納税猶予の期限が確定するものではない。
 そこで、70の4-92は、受贈者の死亡により贈与税の免除事由が生じた場合には、上記の事由が生じている営農困難時貸付農地等に係る納税猶予期限は確定せず、同条第33項の規定により贈与税は免除されること、これらの届出書の提出又は承認の申請は要しないことを留意的に明らかにしたものである。
 なお、同条第22項第3号に規定する税務署長の承認を受け、耕作の放棄又は権利消滅があった日から1年を経過する日までに、当該営農困難時貸付農地等に係る受贈者が死亡した場合において、当該受贈者の死亡の日前に新たな営農困難時貸付けを行った部分又は当該受贈者の農業の用に供した部分に係る同項第4号に規定する届出書がその提出期限(当該受贈者の死亡の日前に提出期限が到来しているものに限る。)までに提出されていない部分については、贈与税の免除事由が生じる前に、既に猶予期限が確定していることから、免除の対象となる贈与税の納税猶予税額には含まれないこととなる。なお書では、そのことを留意的に明らかにした。

(営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があった後に贈与者が死亡した場合)

70の4-93 措置法第70条の4第21項の規定の適用を受ける営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があったときにおいて、次の(1)又は(2)に掲げる場合には、当該耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等に係る納税猶予期限は確定せず、同条第33項の規定により贈与税は免除されることに留意する。
 なお、(2)の場合において、当該贈与者の死亡の日前に新たな営農困難時貸付けを行った部分又は当該営農困難時貸付農地等に係る受贈者の農業の用に供した部分に係る同条第22項第4号に規定する届出書がその提出期限(当該贈与者の死亡の日前に提出期限が到来しているものに限る。)までに提出されていない部分については猶予期限は確定していることに留意する。

  • (1) 耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に当該営農困難時貸付農地等に係る贈与者が死亡した場合
  • (2) 同項第3号に規定する税務署長の承認を受け、耕作の放棄又は権利消滅があった日から1年を経過する日までに、当該営農困難時貸付農地等に係る贈与者が死亡した場合

(注)

  • 1 上記(1)又は(2)の場合において、耕作の放棄又は権利消滅があったときから贈与者の死亡の日までの間に、当該耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等について新たな営農困難時貸付けを行ったとき又は当該営農困難時貸付農地等に係る受贈者の農業の用に供したときであっても、措置法第70条の4第22項第2号又は第4号に規定する届出書の提出は要しないことに留意する。
  • 2 耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等に係る贈与者が死亡したときにおいて、当該耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等に係る受贈者が当該営農困難時貸付農地等を措置法第70条の5第1項の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされ、当該営農困難時貸付農地等について措置法第70条の6第1項の規定の適用を受けようとする場合には、措置法令第40条の7第52項に定めるところによることに留意する。
(新設)

(説明)

 営農困難時貸付けの適用を受ける受贈者は、営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があったときに、当該営農困難時貸付農地等につき、丸1新たな営農困難時貸付けを行った場合又は受贈者の農業の用に供した場合において、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に措置法第70条の4第22項第2号に規定する届出書を提出したとき、丸2当該耕作の放棄又は権利消滅があった日の翌日から1年を経過する日までに新たな営農困難時貸付けを行う見込みである場合において、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月以内に同項第3号の規定による承認の申請をし、税務署長の承認を受けたとき、丸3丸2の承認に係る営農困難時貸付農地等につき当該耕作の放棄又は権利消滅があった日の翌日から1年を経過する日までに新たな営農困難時貸付けを行った場合又は当該受贈者の農業の用に供した場合において、これらに該当することとなった日から2月以内に同項第4号に規定する届出書を提出したときには、納税猶予は継続することとされている。
 ところで、上記の届出書又は承認の申請について、当該届出書又は承認の申請の期限前に贈与者の死亡により贈与税の免除事由が生じた場合であっても、上記丸1から丸3までに掲げる事由が生じたときには所轄税務署長に届出書の提出又は承認を申請をしなければならないのかどうか疑義が生ずる。例えば、贈与者の死亡の日前2月以内に営農困難時貸付農地等につき耕作の放棄又は権利消滅があり、贈与税の納税猶予の免除後(贈与者の死亡後)に、耕作の放棄又は権利消滅があった日から2月目を迎え、その日までに、耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等が新たな営農困難時貸付け又は受贈者の農業の用に供されていなかったとしても、これらの事由が生じた日から2月を経過する日より前に猶予税額が免除されることから、納税猶予の期限が確定するものではない。
 そこで、70の4-93は、贈与者の死亡により贈与税の免除事由が生じた場合には、上記の事由が生じている営農困難時貸付農地等に係る納税猶予期限は確定せず、同条第33項の規定により贈与税は免除されること、これらの届出書の提出又は承認の申請は要しないことを留意的に明らかにした。
 なお、同条第22項第3号に規定する税務署長の承認を受け、耕作の放棄又は権利消滅があった日から1年を経過する日までに、当該営農困難時貸付農地等に係る贈与者が死亡した場合において、当該贈与者の死亡の日前に新たな営農困難時貸付けを行った部分又は当該受贈者の農業の用に供した部分に係る同項第4号に規定する届出書がその提出期限(当該贈与者の死亡の日前に提出期限が到来しているものに限る。)までに提出されていない部分については、贈与税の免除事由が生じる前に、既に猶予期限が確定していることから、免除の対象となる贈与税の納税猶予税額には含まれないこととなる。なお書では、そのことを留意的に明らかにした。
 また、耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等に係る贈与者が死亡したときにおいて、当該耕作の放棄又は権利消滅があった営農困難時貸付農地等に係る受贈者が当該営農困難時貸付農地等を措置法第70条の5第1項の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされ、当該営農困難時貸付農地等について措置法第70条の6第1項の規定の適用を受けようとする場合には、措置法令第40条の7第52項に定めるところによることを注書きで留意的に明らかにした。

(営農困難時貸付けを行った準農地)

70の4-94 措置法第70条の4第1項の規定の適用を受ける同項に規定する準農地について営農困難時貸付けが行われた場合に、当該準農地の贈与に係る贈与税の申告書の提出期限後10年を経過する日において、当該準農地のうち農地又は採草放牧地として当該営農困難時貸付けにより当該準農地を借り受けた者(農業経営基盤強化促進法第4条第2項第1号又は第3項第1号ロに規定する事業により同条第2項に規定する農地保有合理化事業を行う法人又は同条第3項に規定する農地利用集積円滑化事業を行う者から当該準農地を借り受けた者を含む。)の農業の用に供されていないものがあるときは、当該農業の用に供されていない準農地の価額に対応する部分に相当する贈与税については、当該10年を経過する日の翌日から2月を経過する日が納税猶予の期限となることに留意する。

(新設)

(説明)

 営農困難時貸付けは、贈与税の納税猶予の適用を受ける受贈者が、障害、疾病その他の事由により特例適用農地等について、当該受贈者の農業の用に供することが困難な状態として一定の状態となった場合において、当該特例適用農地等について措置法令第40条の6第46項で定めるところにより地上権、永小作権、使用貸借による権利又は賃借権の設定(以下「権利設定」という。)に基づく貸付けを行うことが要件とされており、措置法第70条の4第1項に規定する準農地についても営農困難時貸付けの対象となる。
 ところで、贈与税の納税猶予の適用を受ける準農地については、同条第4項の規定により贈与税の申告書の提出期限後10年を経過する日において農地又は採草放牧地として当該受贈者の農業の用に供されていないものがある場合には、納税猶予分の贈与税額のうち当該農業の用に供されていない準農地の価額に対応する部分の贈与税については、当該10年を経過する日の翌日から2月を経過する日が納税猶予に係る期限とされている(措法70の4丸4)。
 準農地について営農困難時貸付けが行われた場合には、当該準農地の贈与に係る贈与税の申告書の提出期限後10年を経過する日において、当該準農地のうち農地又は採草放牧地として当該営農困難時貸付けにより準農地を借り受けた者(農業経営基盤強化促進法第4条第2項第1号又は第3項第1号ロに規定する事業により同条第2項に規定する農地保有合理化事業を行う法人又は同条第3項に規定する農地利用集積円滑化事業を行う者から当該準農地を借り受けた者を含む。)の農業の用に供されていないものがあるときは、当該農業の用に供されていない準農地の価額に対応する部分に相当する贈与税については、当該10年を経過する日の翌日から2月を経過する日が納税猶予の期限となることとされており(措令40の6丸54)、70の4-94では、そのことを留意的に明らかにした。

(昭和50年改正前の措置法第70条の4第1項の規定の適用を受ける受贈者又は平成3年改正前の措置法第70条の4第1項の規定の適用を受ける受贈者が措置法第70条の4第21項の規定の適用を受けた場合の贈与税の納税猶予についての取扱い)

70の4-95 租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和50年法律第16号)による改正前の租税特別措置法(以下「昭和50年改正前の措置法」という。)第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者又は租税特別措置法の一部を改正する法律(平成3年法律第16号)による改正前の租税特別措置法(以下「平成3年改正前の措置法」という。)第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける受贈者が措置法第70条の4第21項の規定の適用を受けた場合には、同条の規定を適用することとなるが、この場合において昭和50年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受けている同項に規定する受贈者又は平成3年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける受贈者が有する特例適用農地等のうちに措置法第70条の4第2項第3号に規定する特定市街化区域農地等があるときには、当該特定市街化区域農地等については同号イからハまでに掲げる区域外に所在する特例適用農地等とみなして同条の規定を適用することに留意する。

(新設)

(説明)

 平成21年改正法附則第66条第3項各号に掲げる受贈者は、平成21年改正法による改正後の措置法(以下「平成21年改正後の措置法」という。)第70条の4第1項に規定する受贈者とみなして、同条第21項から第24項まで、第28項、第34項、第35項及び第37項、平成21年改正後の措置法第70条の5第1項並びに平成21年改正後の措置法第70条の6第29項の規定を適用することとされ(平成21年改正法附則第66条丸3)、平成21年改正後の措置法第70条の4第21項の営農困難時貸付けの適用を受けた場合には、平成21年改正後の措置法第70条の4の規定を適用することとされている(平成21年改正法附則第66条丸4)。この場合において、租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和50年法律第16号)による改正前の租税特別措置法(以下「昭和50年改正前の措置法」という。)第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者又は租税特別措置法の一部を改正する法律(平成3年法律第16号)による改正前の租税特別措置法(以下「平成3年改正前の措置法」という。)第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける受贈者が平成21年改正後の措置法第70条の4第21項の規定の適用を受けた場合には、同条の規定を適用することとなるが、昭和50年改正前の措置法第70条第1項本文の規定の適用を受けている同項に規定する受贈者又は平成3年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける受贈者が有する特例適用農地等のうちに、平成21年改正後の措置法第70条の4第2項第3号に規定する特定市街化区域農地等があるときには、租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(平成21年政令第108号)(以下「平成21年改正令」という)附則第44条第5項第1号の規定により当該特定市街化区域農地等については平成21年改正後の措置法第70条の4第2項第3号イからハまでに掲げる区域外に所在する特例適用農地等とみなして同条の規定を適用することされている。そこで、70の4-95では、そのことを留意的に明らかにした。

(平成3年改正前の措置法第70条の4第1項及び第10項の規定の適用を受ける受贈者又は平成7年改正前の措置法第70条の4第1項及び第13項の規定の適用を受ける受贈者が措置法第70条の4第21項の規定の適用を受けた場合の継続届出書の提出)

70の4-96 平成3年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者又は租税特別措置法の一部を改正する法律(平成7年法律第55号)による改正前の租税特別措置法(以下「平成7年改正前の措置法」という。)第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者が措置法第70条の4第21項の規定の適用を受けた場合には、同条の規定を適用することとなるが、この場合において平成3年改正前の措置法第70条の4第1項本文の適用を受ける同項に規定する受贈者が同条第10項の規定の適用を受けている場合又は平成7年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者が同条第13項の規定の適用を受けている場合の措置法第70条の4第26項に規定する届出書(以下70の4-96において「継続届出書」という。)の提出については、同条第21項に規定する届出書を提出した日の翌日から起算して3年を経過するごとの日までに当該継続届出書を提出しなければならないことに留意する。

(注) 継続届出書の提出期間については、当該3年を経過するごとの日の属する月の前々月の初日から当該3年を経過するごとの日までの期間として取り扱う。

(新設)

(説明)

 平成21年改正法附則第66条第3項各号に掲げる受贈者は、平成21年改正後の措置法第70条の4第1項に規定する受贈者とみなして、同条第21項から第24項まで、第28項、第34項、第35項及び第37項、平成21年改正後の措置法第70条の5第1項並びに平成21年改正後の措置法第70条の6第29項の規定を適用することとされ(平成21年改正法附則第66条丸3)、平成21年改正後の措置法第70条の4第21項の営農困難時貸付けの適用を受けた場合には、平成21年改正後の措置法第70条の4の規定を適用することとされている(平成21年改正法附則第66条丸4)。この場合において、次に掲げる者が次に定める規定の適用を受けている場合には、平成21年改正後の措置法第70条の4第26項に規定する届出書(以下「継続届出書」という。)の提出については、平成21年改正令附則第44条第5項第2号の規定により平成21年改正後の措置法第70条の4第21項に規定する届出書を提出した日の翌日から起算して3年を経過するごとの日までに当該継続届出書を提出しなければならないこととされている。そこで、70の4-96では、そのことを留意的に明らかにした。

  • (1) 平成3年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者 同条第10項の規定
  • (2) 平成7年改正前の措置法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者 同条第13項の規定