(問) 子Aは、父から相続時精算課税に係る贈与により取得をした甲株式会社の株式について「特定同族株式等の贈与の特例(相続時精算課税の特例)」(※)の適用を受けている。
父の死亡による相続又は遺贈に係る相続税の申告に際し、当該株式について「相続税の納税猶予の特例」(措法70の7の2)の適用を受けない場合には、「小規模宅地等の特例」(措法69の4
)の適用を受けることはできないが、当該株式について「相続税の納税猶予の特例」の適用を受ける場合は小規模宅地等の特例の適用を受けることができるのか。
※ 「特定同族株式等に係る相続時精算課税の特例(平成21年改正前措法70の3の3)」又は「特定同族株式等に係る相続時精算課税の特別控除(平成21年改正前措法70の3の4
)」の特例をいう。
子Aが特定同族株式等である甲株式会社の株式について相続税の納税猶予の特例の適用を受けるか否かにかかわらず「小規模宅地等の特例」の適用を受けることはできない。
また、この場合に、子A以外の相続人等が相続等により取得をした小規模宅地等についても「小規模宅地等の特例」の適用はない。
特定同族株式等の贈与の特例(相続時精算課税) | 小規模宅地等の取得者 | 小規模宅地等の特例の適用の可否 | |
---|---|---|---|
適用者 | 相続税の納税猶予の特例の適用の有無 | ||
子A | 有 | 子A | 否 |
子A、他の相続人 | |||
他の相続人 | |||
無 | 子A | ||
子A、他の相続人 | |||
他の相続人 |
(参考) 措置通69の4−39《平成21年改正前措置法第70条の3の3又は第70条の3の4の規定の適用を受けた特定同族株式等について措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けた場合の小規模宅地等の特例の不適用》
(問) 子Aは、父から相続時精算課税に係る贈与により取得をした甲株式会社の株式について「特定受贈同族会社株式に係る届出書(平成21年改正前措置法69の5)」を税務署に提出し、かつ、平成21年改正法附則第64条第2項に掲げるすべての要件を満たしている。
父の死亡による相続又は遺贈に係る相続税の申告に際し、子Aが、当該相続時精算課税に係る贈与により取得をした甲株式会社の株式について「相続税の納税猶予の特例」(措法70の7の2)の適用を受ける場合に、次の株式について、子A又は子Bは、それぞれ「特定事業用資産の特例」(平成21年改正前措法69の5
)の適用を受けることができるか。
(注)
問について、「特定事業用資産の特例」の適用関係は次のとおりとなる。
子A | 子B | |
---|---|---|
甲株式会社の株式 (子Aが納税猶予を適用) |
(1)相続により取得→不可 | (5)相続により取得→不可 |
(2)贈与により取得→不可 | (6)贈与により取得→可 | |
乙株式会社の株式 (納税猶予の適用者なし) |
(3)相続により取得→可 | (7)相続により取得→可 |
(4)贈与により取得→可 | (8)贈与により取得→可 |
(参考) 措置通69の5−17《措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けた場合の特定事業用資産の特例の不適用》
(問) 子Aは、父から相続時精算課税に係る贈与により取得をした甲株式会社の株式200株について「特定受贈同族会社株式に係る届出書(平成21年改正前措法69の5)」を税務署に提出し、かつ、平成21年改正法附則第64条第2項に掲げるすべての要件を満たしている。
この場合において、父の死亡による相続又は遺贈に係る相続税の申告に際し、特定受贈同族会社株式等200株全部について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることとした場合、相続により取得をした甲株式会社の株式について同特例の適用を受けることができるのは何株か。
なお、甲株式会社の株式は、すべて完全議決権株式である。
子Aが父から相続により取得をした甲株式会社の株式400株の内、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができる株式の限度数は、100株である。
(問) 次のように、選択特定受贈同族会社株式等について相続税の納税猶予の適用を受ける場合、措置法施行令第40条の8の2第1項第2号の要件(同族内筆頭株主等要件)の判定における「被相続人が有する認定承継会社の非上場株式等に係る議決権の数」はどのように判定するのか。
(注)
相続開始の直前において被相続人が有していた甲株式会社の株式に係る議決権と被相続人が生前に子Aに対し贈与をした特定受贈同族会社株式等に係る議決権の数の合計により、措置法施行令第40条の8の2第1項第2号の要件(同族内筆頭株主等要件)の判定を行う。
したがって、600株(300株【父(被相続人)が相続開始の直前に有していた株数】+300株【子Aが父から相続時精算課税に係る贈与により取得をした株数】)により判定を行うこととなる。
(参考) 措置通69の5−19《平成21年改正前措置法第69条の5第10項の書類を提出した特定受贈同族会社株式等についての相続税の納税猶予の適用》
(問) 特定受贈同族会社株式等又は特定同族株式等について、平成21年改正法附則第64条第2項又は第7項の規定により「相続税の納税猶予の特例(措法70の7の2)」の適用を受けた場合、当該特例の適用を受けた株式等は、相続税の申告書上、本来の相続財産として記載するのか。それとも相続時精算課税適用財産として記載するのか。
平成21年改正法附則第64条第2項又は第7項の規定の適用を受けた特定受贈同族会社株式等又は特定同族株式等は、相続時精算課税適用財産として相続税法の規定の適用を受ける。したがって、相続税の申告書においても、相続時精算課税適用財産として記載することとなる。
(問) 相続人Aは、被相続人である父から生前に甲医療法人に係る出資の贈与を受け、当該取得をした甲医療法人に係る出資について「特定受贈同族会社株式に係る届出書(平成21年改正前措置法69の5)」を税務署に提出している。
ところで、この贈与を受けた甲医療法人に係る出資について、平成21年改正法附則第64条第2項の規定に基づき相続税の納税猶予の特例(措法70の7の2)の適用を受けることはできるのか。
相続人Aが被相続人から贈与を受けた甲医療法人に係る出資について相続税の納税猶予の特例(措法70の7の2)の適用を受けることはできない。