41 免除申請があった場合の延滞税の計算(70の7−41)

70の7−41 措置法令第40条の8第37項の規定は、措置法第70条の7第17項の規定による免除申請書が提出された場合で、納期限又は免除申請書の提出があった日のいずれか遅い日の翌日から免除通知を発した日までの間に猶予中贈与税額から同条第17項に規定する免除申請贈与税額(以下70の7−43までにおいて「免除申請贈与税額」という。)を控除した額に相当する贈与税を納付するときに、それと併せて納付すべき延滞税の額の計算に関する取扱いであることに留意する。したがって、免除通知書を発した日後においては、猶予中贈与税額から同条第18項の規定により免除をする税額を控除した額に相当する贈与税を基礎金額として、納付すべき延滞税の額を計算することに留意する。

(注) 免除申請贈与税額と免除をする税額が異なる場合には、措置法令第40条の8第37項の規定により計算した延滞税の額と免除後の贈与税額を基礎金額として計算した納付すべき延滞税の額に差額が生じることになるため、同項の規定により計算した延滞税の額の増額又は減額の処理を行う必要があることに留意する。

(新設)
(説明)
1 措置法第70条の7第17項の適用を受けるために免除申請書が提出された場合に、免除する税額が確定するのは最長6月後となることも想定されるが、免除申請税額以外の部分については速やかに納付又は徴収する必要がある。
 この場合、措置法令第40条の8第37項の規定がなければ、次のような事象が生じることとなる。

1 納税猶予期限に納付すべき利子税の額は納税猶予中の贈与税を基礎金額として計算されることから、免除申請が行われた場合であっても免除されるまでは、将来免除されることが見込まれる部分の本税も含めて計算された利子税の総額を猶予期限においてあらかじめ納付しなければならない。

2 免除申請が行われた場合であっても免除されるまでは、延滞税計算の基礎金額には免除申請税額が含まれることとなり、徴収すべき延滞税額が免除通知の日まで確定しない。

3 措置法第70条の7第17項の規定による免除申請に併せて担保解除の申し出があった場合に、措置法令第40条の8第39項の規定により担保を解除するためには、同項各号の猶予中贈与税額から同項に規定する免除申請贈与税額を控除した額に相当する贈与税(本税)のほか当該贈与税の額に係る付帯税もあわせて納付する必要がある。この場合に上記12の問題から納付額が過大又は計算できないといった問題が生じる。

2 このため、措置法令第40条の8第37項において、納期限又は免除申請書の提出があった日のいずれか遅い日の翌日から免除通知を発した日までの間(以下「特定期間」という。)において免除申請税額以外の部分を納付する場合に、その時点で本税に併せてあらかじめ納付すべき延滞税・利子税を計算する際に用いる延滞税の計算方法が規定された。
 したがって、免除通知書を発した日後においては、免除後の贈与税額を基礎金額として納付すべき延滞税の額を計算することになることを留意的に明らかにした。
3 同条第37項の規定は、上記1に掲げるような事象を踏まえて納税者の負担軽減等を図るために設けられた便宜上の計算方法であり、免除申請税額と免除をする税額が異なることとなった場合には、同条第37項の規定により特定期間において計算した延滞税の額と免除後の贈与税額を基礎金額として計算した「納付すべき延滞税の額」に差額が生じることになる。
 このため、特定期間において計算した延滞税の額について既に納付又は督促等の処理が行われている場合には、特定期間において計算した延滞税の額と「納付すべき延滞税の額」との差額について、増額(追加納付、追加督促等が必要となる。)又は減額(納付済みの場合は過誤納金として還付する等が必要となる。)の清算処理を行う必要があることを注書きにおいて留意的に明らかにした。

42 免除申請があった場合の利子税の計算(70の7−42)

70の7−42 措置法令第40条の8第38項の規定は、措置法第70条の7第17項の規定による免除申請書が提出された場合で、免除申請書の提出があった日から免除通知を発した日までの間に猶予中贈与税額から免除申請贈与税額を控除した額に相当する贈与税を納付するときに、それと併せて納付すべき利子税の額の計算に関する取扱いであることに留意する。したがって、免除通知書を発した日後においては、猶予中贈与税額から同条第18項の規定により免除をする税額を控除した額に相当する贈与税を基礎金額として、納付すべき利子税の額を計算することに留意する。

(注) 免除申請贈与税額と免除をする税額が異なる場合には、措置法令第40条の8第38項の規定により計算した利子税の額と免除後の贈与税額を基礎金額として計算した納付すべき利子税の額に差額が生じることになるため、同項の規定により計算した利子税の額の増額又は減額の処理を行う必要があることに留意する。

(新設)
(説明)
 70の7―41(免除申請があった場合の延滞税の計算)の説明を参照。

43 免除申請に伴い担保解除を行う場合に納付すべき贈与税額(70の7−43)

70の7−43 措置法令第40条の8第39項に規定する「同項各号の猶予中贈与税額から同項に規定する免除申請贈与税額を控除した額に相当する贈与税」とは、措置法第70条の7第17項各号の猶予中贈与税額から免除申請贈与税額を控除した額に相当する贈与税の額と、措置法令第40条の8第38項の規定により計算した当該贈与税の額に係る納税猶予期間中の利子税の額の合計額をいうことに留意する。

(新設)
(説明)
 措置法第70条の7第17項の規定による免除申請が行われたときに、措置法令第40条の8第39項の規定により担保を解除するため納付が必要な金額は、同項各号の猶予中贈与税額から同項に規定する免除申請贈与税を控除した額に相当する贈与税(本税)のほか当該贈与税の額に係る猶予期間中の利子税についてもあわせて納付する必要がある旨を留意的に明らかにした。
 なお、この場合に納付すべき利子税の額は、措置法令第40条の8第38項の規定により計算した当該贈与税の額に係る納税猶予期間中の利子税の額となる。したがって、免除通知により免除する贈与税額が確定した場合に免除申請贈与税との差額が生じたときには、改めて免除後の贈与税額を基礎金額として計算した利子税額との差額を納付する又は過誤納金として還付することに留意する。

44 2以上の認定贈与承継会社がある場合等の担保の取扱い(70の7−44)

70の7−44 特例受贈非上場株式等に係る贈与者又は認定贈与承継会社が2以上ある場合、措置法第70条の7第1項に係る担保の提供手続き、同条第7項に係るみなす充足の取扱い、同条第13項に係る納税猶予の期限の繰り上げの取扱いに当たっては、贈与者又は認定贈与承継会社の異なるものごとの納税猶予分の贈与税額にそれぞれの規定を適用することに留意する。

(新設)
(説明)
 特例受贈非上場株式等に係る贈与者又は認定贈与承継会社が2以上ある場合に、贈与者又は認定贈与承継会社の異なるものごとの納税猶予分の贈与税額については、それぞれ担保提供財産(担保提供関係書類)、全部提供の可否、猶予期限繰上げ事由の発生の有無の状況等が異なることから、担保に関する取扱いに当たっては、それぞれの納税猶予分の贈与税額ごとに措置法第70条の7第1項、同条第7項及び同条第13項の規定を適用することを留意的に明らかにした。

(1) 担保提供手続きや提出すべき担保関係書類は、特例受贈非上場株式等に係る贈与者又は認定贈与承継会社の異なるものごとにそれぞれ行う。

(2) みなす充足の適用の判定、みなす充足に該当しないこととなる場合の判定に当たっては、それぞれの納税猶予分の贈与税額ごとに、当該納税猶予分の贈与税額に係る特例受贈非上場株式等の全てが担保として提供されているかどうかにより判断する。

(3) 措置法第70条の7第13項第1号に該当するかどうかの判定及び増担保命令等に応じないため(措置法令第40条の8第31項第2号の規定により増担保命令等に応じなかったものとみなす場合を含む。)納税の猶予に係る期限を繰り上げるかどうかの判定に当たっては、それぞれの猶予中贈与税額に係る担保について増担保命令等に応じない事由が生じたかどうかを判断し、それぞれの猶予中贈与税額ごとに納税猶予の期限を繰り上げる。

45 措置法第70条の7第24項各号の価額の意義(70の7−45)

70の7−45 措置法第70条の7第24項第1号の「認定贈与承継会社の資産の価額」及び同項第2号の「現物出資等資産の価額」は、特例対象贈与があった時における評価基本通達の定めにより算定した価額をいうことに留意する。

(注) 特例対象贈与時に現物出資等資産を認定贈与承継会社が有していない場合でも、当該現物出資等資産を有しているものとして上記により措置法第70条の7第24項第2号の価額を算定することに留意する。

(新設)
(説明)
1 特例受贈非上場株式等に係る認定贈与承継会社が措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けようとする経営承継受贈者及び経営承継受贈者の同族関係者(措置法令第40条の8第9項に規定する者をいう。)から現物出資又は贈与により取得をした資産(特例対象贈与前3年以内に取得をしたものに限る。以下70の7−45において「現物出資等資産」という。)がある場合で、次の算式を満たすときは、当該経営承継受贈者については措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けることはできないとされている(措法70の724)。

丸1分の丸2は100分の70以上

1=当該特例対象贈与があった時における当該「認定贈与承継会社の資産の価額」の合計額

2=当該特例対象贈与があった時における「現物出資等資産の価額」(当該認定贈与承継会社が特例対象贈与の時において当該現物出資等資産を有していない場合には、当該特例対象贈与があった時に有しているものとしたときにおける当該現物出資等資産の価額)の合計額

2 上記1の1の「認定贈与承継会社の資産の価額」及び2の「現物出資等資産の価額」は、特例対象贈与があった時における評価基本通達の定めにより算定した価額をいうことを留意的に明らかにした。また、通達の(注)においては、特例対象贈与時に現物出資等資産を認定贈与承継会社が有していない場合でも、当該現物出資等資産を有しているものとして同号の価額を算定することを留意的に明らかにした。