1 平成21年改正前措置法第69条の5の取扱い(69の5−16)

69の5−16 平成21年改正法附則第64条第1項又は第11項の規定によりなお従前の例によるものとされる平成21年改正前措置法第69条の5((特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例))、平成21年改正措令による改正前の措置法令第40条の2の2((特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例))及び平成21年改正措規による改正前の措置法規則第23条の2の2((特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例))の規定の適用を受ける場合の取扱いについては、平成21年6月17日付課資2―7ほか2課共同「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」の一部改正について(法令解釈通達)による改正前の「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」の取扱いの例による。

(新設)
(説明)
 平成21年度税制改正により「特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用対象から平成21年改正前措置法第69条の5第2項第7号に規定する特定同族会社株式等及び同項第8号に規定する特定受贈同族会社株式等が除外されたことに伴い、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」と重複適用する際の限度額計算等について所要の改正が行われたところであるが、平成21年改正法附則第64条第1項又は第11項の規定により従前の例によるものとされる平成21年改正前措置法第69条の5、平成21年改正措令による改正前の措置法令第40条の2の2及び平成21年改正措規による改正前の措置法規則第23条の2の2の規定の適用を受ける場合の取扱いについては、平成21年6月17日付課資2―7ほか2課共同「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」の一部改正について(法令解釈通達)による改正前の「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」の取扱いの例によることとなる。通達ではその旨を留意的に明らかにした。

2 措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けた場合の特定事業用資産の特例の不適用(69の5−17)

69の5−17 平成21年3月31日以前に死亡した被相続人から当該死亡に係る相続若しくは遺贈により取得した平成21年改正法附則第63条第1項に規定する非上場株式等(以下旧70の3の3・70の3の4−3までにおいて「非上場株式等」という。)又は同日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した平成21年改正法附則第64条第1項に規定する特定受贈同族会社株式等(以下69の5−22までにおいて「特定受贈同族会社株式等」という。)について、当該取得したいずれかの者が当該死亡に係る相続税において措置法第70条の7の2第1項((非上場株式等についての相続税の納税猶予))の規定の適用を受ける場合には、当該適用を受ける者については当該被相続人から相続又は遺贈により取得した非上場株式等及び相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等のすべてについて、また、当該適用を受ける者以外の者については当該被相続人から相続又は遺贈により取得した非上場株式等について、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用はないことに留意する。
 また、平成21年4月1日以後に死亡した被相続人から当該死亡に係る相続若しくは遺贈により取得した非上場株式等又は平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等について、措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受ける場合には、当該適用を受ける者については当該特定受贈同族会社株式等のすべてについて平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用はないことに留意する。

(注) 上記については、会社ごとに判定することに留意する。

(新設)
(説明)
1 平成21年改正法附則第63条第2項においては、措置法第70条の7の2第1項の規定は、平成20年10月1日以後に相続又は遺贈により取得をする平成21年改正法附則第63条第1項に規定する非上場株式等(以下旧70の3の3・70の3の4−3までにおいて「非上場株式等」という。)に係る相続税について適用することとされている。
2 また、平成21年改正法附則第64条第1項に規定する特定事業用資産相続人等(以下69の5−22までにおいて「特定事業用資産相続人等」という。)が平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した同項に規定する特定受贈同族会社株式等(以下69の5−20までにおいて「特定受贈同族会社株式等」という。)について平成21年改正前措置法第69条の5第10項の書類を提出し、かつ、当該特定受贈同族会社株式等に係る特定贈与者(平成21年改正法附則第64条第2項に規定する特定贈与者をいう。以下69の5−22までにおいて同じ。)が平成20年10月1日以後に死亡している場合において、当該特定事業用資産相続人等が措置法第70条の7の2第1項の適用に係る要件及び平成21年改正法附則第64条第2項に掲げる要件のすべてを満たすときは、当該特定受贈同族会社株式等(平成21年改正令附則第43条第1項((非上場株式等についての相続税の課税価格の計算の特例等に関する経過措置))の規定により選択したものに限る。以下69の5−22までにおいて「選択特定受贈同族会社株式等」という。)は当該特定贈与者から相続(当該特定事業用資産相続人等が当該特定贈与者の相続人以外の者である場合には、遺贈)により取得した非上場株式等とみなされて、措置法第70条の7の2第1項の規定の適用があることとされている(平成21年改正法附則642、69の5−19参照)。
3 ところで、相続又は遺贈により取得をする非上場株式等について、措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受ける場合、当該非上場株式等に係る会社の株式等については、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定は適用しないこととされている(平成21年改正法附則632)。また、上記2により特定事業用資産相続人等が当該特定受贈同族会社株式等について措置法第70条の7の2の規定の適用を受ける場合には、(当該特定事業用資産相続人等について)平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定は適用しないこととされている(平成21年改正法附則643)。さらに、特定受贈同族会社株式等について平成21年改正法附則第64条第2項の規定の適用により措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受ける場合には、当該特定贈与者から相続又は遺贈により取得をする株式等(当該特定受贈同族会社株式等に係る会社の株式等に限る。)については、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定は適用しないこととされている(平成21年改正令附則433)。
4 したがって、上記1の平成20年10月1日から平成21年3月31日までの間に死亡した被相続人から当該死亡に係る相続若しくは遺贈により取得した非上場株式等又は同日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した平成21年改正法附則第64条第1項に規定する特定受贈同族会社株式等(以下69の5−22までにおいて「特定受贈同族会社株式等」という。)について、当該取得したいずれかの者が当該死亡に係る相続税において措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受ける場合には、当該適用を受ける者については当該被相続人から相続又は遺贈により取得した非上場株式等及び相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等のすべてについて、また、当該適用を受ける者以外の者については当該被相続人から相続又は遺贈により取得した非上場株式等について、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用はないこととなる。通達の前段においてはこのことを留意的に明らかにした。
5 また、平成21年4月1日以後に死亡した被相続人から当該死亡に係る相続又は遺贈により取得した非上場株式等又は平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等について、措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受ける場合には、当該適用を受ける者については当該特定受贈同族会社株式等のすべてについて平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用はないこととなる。通達の後段においてはこのことを留意的に明らかにした。
6 なお、上記の4又は5の判定は、会社ごとに行うこととなることから、その旨を通達の(注)において明らかにした。
(参考)
参考

3 平成21年改正前措置法第70条の3の3又は第70条の3の4の規定の適用を受けた特定同族株式等について措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けた場合の特定事業用資産の特例の不適用(69の5―18)

69の5―18 被相続人から相続若しくは遺贈又は相続時精算課税に係る贈与により財産を取得したいずれかの者が、当該被相続人である平成21年改正法附則第64条第7項に規定する特定同族株式等贈与者から平成20年12月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した同条第6項に規定する特定同族株式等(以下69の5−18において「特定同族株式等」という。)について平成21年改正前措置法第70条の3の3第1項又は平成21年改正前措置法第70条の3の4第1項の規定の適用を受けている場合には、平成21年改正法附則第64条第7項の規定の適用の有無にかかわらず、当該被相続人から相続若しくは遺贈又は相続時精算課税に係る贈与により財産を取得したすべての者について平成21年改正前措置法第69条の5第1項及び措置法第69条の5第1項の規定の適用はないことに留意する。

(注) 上記の平成21年改正前措置法第70条の3の3第1項又は平成21年改正前措置法第70条の3の4第1項の適用を受けた特定同族株式等に係る会社と異なる会社に係る株式等(株式又は出資をいう。以下旧70の7の3・70の7の4−3までにおいて同じ。)を当該被相続人から相続若しくは遺贈又は相続時精算課税に係る贈与により取得した場合であっても上記と同様の取扱いとなることに留意する。

(新設)
(説明)
1 「特定の贈与者から特定同族株式等の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」及び「特定同族株式等の贈与を受けた場合の相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の特例」は、平成20年12月31日の期限到来をもって廃止された(平成21年改正前措法70の3の3・70の3の4)。
2 ところで、平成21年改正前措置法第69条の5第6項においては、「第1項の規定は、同項の相続に係る被相続人から同項の相続又は遺贈により財産を取得した者が第70条の3の3第1項又は第70条の3の4第1項の規定の適用を受け、又は受けている場合には、適用しない。」と規定されている。
3 また、平成21年改正措令附則第43条第7項においては、「平成21年改正法による改正後の措置法第69条の4第1項又は第69条の5第1項の規定は、これらの規定の相続(平成21年4月1日以後に開始するものに限る。)に係る被相続人から相続又は遺贈により財産の取得をした者(当該被相続人から相続税法第21条の9第3項(平成21年改正前の措置法第70条の3第1項又は第70条の3の3第1項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける財産の贈与による取得をした者を含む。)が平成21年改正前措置法第70条の3の3第1項又は第70条の3の4第1項の規定の適用を受けた場合には、適用しない。」と規定されている。
4 したがって、通達においては、上記2及び3の規定により、被相続人から相続若しくは遺贈又は相続時精算課税に係る贈与により財産を取得したいずれかの者が、当該被相続人である平成21年改正法附則第64条第7項に規定する特定同族株式等贈与者から平成20年12月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した同条第6項に規定する特定同族株式等(以下69の5−18において「特定同族株式等」という。)について平成21年改正前措置法第70条の3の3第1項又は平成21年改正前措置法第70条の3の4第1項の規定の適用を受けている場合には、平成21年改正法附則第64条第7項の規定の適用の有無にかかわらず、当該被相続人から相続若しくは遺贈又は相続時精算課税に係る贈与により財産を取得したすべての者について平成21年改正前措置法第69条の5第1項及び措置法第69条の5第1項の規定の適用はないことを留意的に明らかにした。
5 さらに通達の(注)においては、平成21年改正前措置法第70条の3の3第1項又は平成21年改正前措置法第70条の3の4第1項の適用を受けた特定同族株式等に係る会社と異なる会社に係る株式等を当該被相続人から相続若しくは遺贈又は相続時精算課税に係る贈与により取得した場合であっても上記4と同様の取扱いとなることを留意的に明らかにした。

4 平成21年改正前措置法第69条の5第10項の書類を提出した特定受贈同族会社株式等についての相続税の納税猶予の適用(69の5−19)

69の5−19 平成21年改正法附則第64条第1項に規定する特定事業用資産相続人等(以下69の5−22までにおいて「特定事業用資産相続人等」という。)が平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等について平成21年改正前措置法第69条の5第10項の書類を提出し、かつ、当該特定受贈同族会社株式等に係る特定贈与者(平成21年改正法附則第64条第2項に規定する特定贈与者をいう。以下69の5−22までにおいて同じ。)が平成20年10月1日以後に死亡している場合において、当該特定事業用資産相続人等が措置法第70条の7の2第1項の適用に係る要件及び平成21年改正法附則第64条第2項に掲げる要件のすべてを満たすときは、当該特定受贈同族会社株式等(平成21年改正令附則第43条第1項((非上場株式等についての相続税の課税価格の計算の特例等に関する経過措置))の規定により選択したものに限る。以下69の5−22までにおいて「選択特定受贈同族会社株式等」という。)は当該特定贈与者から相続(当該特定事業用資産相続人等が当該特定贈与者の相続人以外の者である場合には、遺贈)により取得した非上場株式等とみなされて、措置法第70条の7の2第1項の規定の適用があることに留意する。

(注) 選択特定受贈同族会社株式等について措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けようとする場合の措置法令第40条の8の2第1項第2号((非上場株式等についての相続税の納税猶予))の要件の判定に当たっては、「被相続人が有する認定承継会社の非上場株式等に係る議決権の数」に、平成21年4月1日前に相続時精算課税に係る贈与をした上記の特定受贈同族会社株式等に係る議決権の数が含まれることに留意する。

(新設)
(説明)
1 措置法第70条の7の2の規定の適用対象となる非上場株式等は、原則として、被相続人から相続又は遺贈により取得したものに限られるのであるが(70の7の2−3参照)、特定事業用資産相続人等が平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等について平成21年改正前措置法第69条の5第10項の書類を提出し、かつ、当該特定受贈同族会社株式等に係る特定贈与者が平成20年10月1日以後に死亡している場合において、当該特定事業用資産相続人等が措置法第70条の7の2第1項の適用に係る要件及び平成21年改正法附則第64条第2項に掲げる要件のすべてを満たすときは、同項に規定する選択特定受贈同族会社株式等は当該特定贈与者から相続(当該特定事業用資産相続人等が当該特定贈与者の相続人以外の者である場合には、遺贈)により取得した非上場株式等とみなされて、措置法第70条の7の2第1項の規定の適用があることとされている(平成21年改正法附則642)。通達は、そのことを留意的に明らかにした。
2 また、通達の(注)においては、上記1により措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受ける場合には、平成21年改正措令附則第43条第4項の読み替え規定により、措置法令第40条の8の2第1項第2号の要件の判定においては、「被相続人が有する認定承継会社の非上場株式等に係る議決権の数」に、平成21年4月1日前に相続時精算課税に係る贈与をした上記1の特定受贈同族会社株式等に係る議決権の数が含まれることになるため、その旨を留意的に明らかにした。

5 過去に特定受贈同族会社株式等の贈与を受けた者に係る非上場株式等について相続税の納税猶予の特例の適用(69の5−20)

69の5−20 特定贈与者が平成20年10月1日以後に死亡した場合で、当該特定贈与者から相続又は遺贈により取得した非上場株式等及び平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等があるときにおいて、当該特定受贈同族会社株式等の全部について平成21年改正令附則第43条第1項の規定による選択をせず措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けないときには、当該選択をしない者の当該特定受贈同族会社株式等に係る会社の株式等のすべてについて同項の規定の適用はないことに留意する。

(注) 上記については、会社ごとに判定することに留意する。

(新設)
(説明)
1 平成21年改正法附則第64条第4項においては、「特定事業用資産相続人等が、当該特定事業用資産相続人等に係る特定贈与者から相続又は遺贈により取得をした株式等(選択特定受贈同族会社株式等に係る法人のものに限る。)については、当該選択特定受贈同族会社株式等につき同条第2項の規定の適用を受ける場合を除き、措置法第70条の7の2の規定は適用しない。」と規定されている。
2 したがって、特定贈与者が平成20年10月1日以後に死亡した場合で、当該特定贈与者から相続又は遺贈により取得した非上場株式等及び平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与により取得した特定受贈同族会社株式等があるときにおいて、当該特定受贈同族会社株式等の全部について平成21年改正令附則第43条第1項の規定による選択をせず措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けないときには、当該選択をしない者の当該特定受贈同族会社株式等に係る会社の株式等のすべてについて同項の規定の適用はないこととなる。通達ではこのことを留意的に明らかにした。
3 なお、上記の2の判定は、会社ごとに行うこととなることから、その旨を通達の(注)において留意的に明らかにした。

6 平成22年4月1日以後に特定受贈同族会社株式等事前届出書が提出された場合(69の5−21)

69の5−21 特定事業用資産相続人等が平成21年改正法附則第64条第2項第1号に規定する書類(以下69の5−21において「特定受贈同族会社株式等事前届出書」という。)を平成22年3月31日までに提出していない場合には、当該特定事業用資産相続人等について同項の規定の適用がないことに留意する。

(注) 平成22年3月31日までに特定受贈同族会社株式等事前届出書が提出されなかった場合におけるゆうじょ規定は設けられていないことに留意する。

(新設)
(説明)
1 特定事業用資産相続人等が選択特定受贈同族会社株式等について措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けるためには、当該特定事業用資産相続人等が、平成22年3月31日までに納税地の所轄税務署長に平成21年改正法附則第64条第2項第1号に規定する書類(以下69の5−21において「特定受贈同族会社株式等事前届出書」という。)を提出しなければならない(ただし、相続税の申告書の提出期限が同日までに到来する場合には、既に当該特定受贈同族会社株式等事前届出書を提出している場合を除き、当該特定受贈同族会社株式等事前届出書を当該相続税の申告書に添付して提出しなければならない。)こととされている(平成21年改正法附則642一)。
2 したがって、特定事業用資産相続人等が当該特定受贈同族会社株式等事前届出書を平成22年3月31日までに提出していない場合には、当該特定事業用資産相続人等について措置法第70条の7の2の規定の適用はないこととなる(ゆうじょ規定も設けられていない。)。通達ではその旨を留意的に明らかにした。
(注) 当該特定受贈同族会社株式等事前届出書を提出していない場合には、当該提出に係る特定受贈同族会社株式等について措置法第70条の7の2第1項の規定の適用がないだけでなく、当該特定受贈同族会社株式等に係る特定贈与者の死亡に係る相続又は遺贈により取得した非上場株式等(当該特定受贈同族会社株式等に係る会社と同一会社の株式等に限る。)についても同条の規定の適用はないこととなる(69の 5−20参照)。

7 役員である期間の意義(69の5―22)

69の5―22 平成21年改正法附則第64条第2項第2号に規定する政令で定める期間において、選択特定受贈同族会社株式等に係る認定承継会社(措置法第70条の7の2第2項第1号に規定する認定承継会社をいう。)の平成21年改正規則附則第21条第3項((非上場株式等についての相続税の課税価格の計算の特例等に関する経過措置))に規定する地位(以下69の5−22において「役員等」という。)を有しているかどうかは、役員等であった期間(特定受贈同族会社株式等の贈与の時以後の期間に限る。)を合計した期間が当該政令で定める期間以上の期間であるかどうかにより判定することに留意する。
 ただし、平成21年改正措令附則第43条第2項第2号に該当する場合における平成22年4月1日以後の期間については、同日から当該贈与に係る特定贈与者の死亡により開始した相続に係る申告期限(特定事業用資産相続人等が当該申告期限前に死亡した場合には、当該死亡した日)までの間となることに留意する。

(注) 当該認定承継会社に係る選択特定受贈同族会社株式等の贈与が複数回あるため上記の政令で定める期間が異なることとなる場合には、それぞれの贈与ごとに上記の判定を行うことに留意する。

(新設)
(説明)
1 被相続人である特定贈与者から贈与により取得した特定受贈同族会社株式等について、平成21年改正法附則第64条第2項の規定の適用により措置法第70条の7の2第1項の規定の適用を受けるためには、当該贈与により特定受贈同族会社株式等を取得した個人は、当該贈与の時から当該被相続人の相続税の申告期限を経過する時までの間のうち、当該個人の次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに定める期間、当該特定受贈同族会社株式等に係る法人の役員等でなければならないこととされている(平成21年改正法附則642二、平成21年改正措令附則432)。

(1) 特定贈与者が平成22年3月31日以前に死亡した場合
 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める期間(当該期間が特定受贈同族会社株式等の贈与の日から特定贈与者の死亡により開始した相続に係る相続税の申告期限までの間より長い場合には、当該贈与の日から当該申告期限までの間)

イ 特定事業用資産相続人等が特定受贈同族会社株式等の贈与の日において65歳未満である場合
 当該贈与の日から当該特定事業用資産相続人等が65歳に達する日(当該達する日前に当該贈与に係る特定贈与者が死亡した場合には、当該特定贈与者の死亡により開始した相続に係る申告期限)までの間の100分の80に相当する期間(当該期間が2年より短い場合には、2年間(当該特定事業用資産相続人等が65歳に達する日前に当該特定贈与者が死亡した場合には、当該贈与の日から当該相続に係る申告期限までの間の100分の80に相当する期間))

ロ 特定事業用資産相続人等が特定受贈同族会社株式等の贈与の日において65歳以上である場合 2年間(当該贈与の日から当該贈与に係る特定贈与者の死亡により開始した相続に係る申告期限までの間の100分の80に相当する期間が2年より短い場合には、当該期間)

(2) 特定贈与者が平成22年4月1日以後に死亡した場合
 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める期間

イ 特定事業用資産相続人等が特定受贈同族会社株式等の贈与の日において65歳未満である場合
 当該贈与の日から当該特定事業用資産相続人等が65歳に達する日又は平成22年3月31日のいずれか早い日までの間の100分の80に相当する期間(当該期間が2年より短い場合には、2年間(当該贈与の日から同年3月31日までの間が2年より短い場合には、当該期間))及び同年4月1日から当該特定贈与者の死亡により開始した相続に係る相続税の申告期限(当該特定事業用資産相続人等が当該申告期限前に死亡した場合には、当該死亡した日)までの間

ロ 特定事業用資産相続人等が特定受贈同族会社株式等の贈与の日において65歳以上である場合
 当該贈与の日から平成22年3月31日までの間のうちの2年間(当該期間が2年より短い場合には、当該期間)及び同年4月1日から当該特定贈与者の死亡により開始した相続に係る申告期限(当該特定事業用資産相続人等が当該申告期限前に死亡した場合には、当該死亡した日)までの間

2 通達は、当該役員等となっていた期間の判定は、当該贈与の時以後の期間で当該特定受贈同族会社株式等に係る法人の役員等となっていた期間の合計期間により行うことを留意的に明らかにした。
 したがって、当該役員等である期間は継続している必要はなく、また、例えば、取締役から監査役に変わった場合にもその期間を通算することとなる。
3 なお、通達の(注)においては、同一法人の当該特定受贈同族会社株式等の贈与が複数回ある場合には、役員等でなければならない期間が異なることから、それぞれの贈与ごとに役員等要件を満たしているかどうかを判定することを留意的に明らかにした。したがって、同一法人について役員等要件を満たしている特定受贈同族会社株式等と役員等要件を満たしていない特定受贈同族会社株式等がある場合には、当該役員等要件を満たす特定受贈同族会社株式等のみが特例の適用対象となる。