直所3-45(例規)
昭和41年11月28日

国税局長殿

国税庁長官

 今回、納税者の申告手続の簡略化を図る趣旨から、所得税の確定申告書を提出した者については、個人事業税および個人住民税の申告を要しないこととされたことに伴い、国税庁長官と自治事務次官との間で、別添のとおり了解事項を交換したので、国、都道府県および市町村相互間の協力を緊密にして納税者の期待に応えるよう下記事項に留意のうえ、了解事項の適切な運用に努められたい。
 なお、自治省からも都道府県知事あてに、これと同趣旨の通達が発せられることになつているから了知されたい。

1 申告書用紙の送付

  • (1) 所得税の確定申告書の用紙は、国が単独で送付する。
     この場合、都道府県および市町村が作成する了解事項2の(1)、(2)および(3)に関する事項を記載したチラシの送付を依頼された場合には、これを同封すること。
  • (2) 所得税の確定申告書用紙の送付に要する郵送料の負担については、目下、自治省と協議中であるが、本年度においては経過的な事情もあるので、国、都道府県および市町村が協議して定めること。
  • (3) 了解事項の3に掲げる所得税の確定申告書用紙の送付対象者は、たとえば、次のような方法により、できるだけ効率的には握するよう配意する。
    • イ 都道府県および市町村に、前年実績を参考にしてあらかじめ国税無資格者にかかる封筒を作成させたうえ、これを所得税の確定申告書用紙の送付用封筒と照合させること。
    • ロ 税務署において、所得税の確定申告書用紙を送付する一覧表を作成している場合には、これを閲覧させること。

2 申告書の受理
 了解事項の4に掲げる措置を講ずるに当たつては、次の点に留意する。

  • (1) 個人事業税および個人住民税に関する記載事項についての確認および指導に当たつては、@これを三税の職員が別々に行なうことは適当でないと認められること、A当該記載事項で実際に記載すべき事項はきわめて少ないと認められることなどの点からみて、できるだけ税務署の職員が所得税についての申告指導の際にあわせてこれを行なうよう努めること。
     このため、個人事業税および個人住民税に関する記載事項の記載要領について、あらかじめ研修しておくよう配意すること。
  • (2) 納税相談の結果、所得税について確定申告の必要がなくなつた者に対する個人事業税または個人住民税の申告指導および当該申告書の受理に当たつては、税務署の職員は、当該申告書の提出をしようようし、当該申告書の記載要領についての指導および受理は、都道府県および市町村の職員が行なうようにすること。
  • (3) 個人事業税および個人住民税に関する記載事項についての確認および指導を、税務署の職員が行なうこととした場合には、個人事業税および個人住民税に関し相談を必要とする納税者もあるので、納税相談会場における納税者の受付、案内等は、できるだけ都道府県および市町村の職員も分担するよう依頼すること。

3 所得税の確定申告書の閲覧

  • (1) 了解事項の5に掲げる閲覧の時期を、納税相談期間中と4月上、中旬の2回に分けたのは、納税相談期間中においては提出された申告書のすべてについて閲覧させることは困難であると認められるので、残余の分については納税相談終了後所要の整理を行なつたうえ閲覧させた方が適当であるとの判断に基づくものである。
     したがつて、残余の分について3月16日以降引きつづき閲覧させた方が効率的であると認められる場合には、この方法によることを妨げるものではない。
     なお、個人事業税の閲覧に当たつては、上記の閲覧後異動があつたものについての加除を、7月頃に行なえるよう協力すること。
  • (2) 納税相談期間中における閲覧に当たつては、その日に提出または郵送された所得税の確定申告書は、できるだけ市町村別に区分してその翌日閲覧できるよう便宜を図ること。

4 国、都道府県および市町村の協力
 三税申告の一本化を機会に、国、都道府県および市町村三者間の協力を一層緊密にする必要があるので、課税資料の提供等その具体的な内容については、都道府県および市町村と協議して定めること。