III 介護保険制度の概要
介護保険の被保険者が介護保険の給付を受けるためには、市町村による要介護者又は要支援者の認定を受ける必要がある。
(注)
1 要介護者とは、身体上又は精神上の障害のために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6か月にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態を「要介護状態」といい、この状態にある被保険者をいう(介護保険法7、介護保険法施行規則2)。
2 要支援者とは、要介護状態まではいかないものの、6か月にわたり継続して、日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態(例えば、身じたくや掃除、洗濯、買い物等身の回りのことができない状態)を「要介護状態となるおそれがある状態」(要支援状態)といい、この状態にある被保険者をいう(介護保険法7、介護保険法施行規則3)。
3 第2号被保険者(40歳〜64歳)については、次の15の特定疾病により要介護状態又は要支援状態となった場合に限り、要介護者又は要支援者の認定がされる(介護保険法7二、介護保険法施行令2)。筋萎縮性側索硬化症、後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、シャイ・ドレーガー症候群、 初老期における痴呆(アルツハイマー病、ピック病等)、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病症網膜症、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)、パーキンソン病、閉塞性動脈硬化症、慢性関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
要介護・要支援の認定の手順は次のとおりで、被保険者の申請を受けて、市町村が被保険者の心身の状況を訪問調査するとともに、主治医の意見を聞き(主治医意見書)、調査結果等を介護認定審査会に示し審査・判定を依頼、介護認定審査会は審査・判定を行い、市町村は介護認定審査会の審査・判定に基づき認定を行うこととされている。
【要介護・要支援の認定の手順】
(注) 要介護・要支援の認定による要介護認定等基準時間(推計)は、次のとおりである。
なお、実際受けられる介護サービスの時間とは異なる。
イ 要支援:1日当たり30分未満であって、要介護認定等基準時間25分以上、又は間接生活介助・機能訓練関連行為の2分野の要介護認定等基準時間の合計が10分以上
ロ 要介護1:1日当たり30分以上50分未満
ハ 要介護2:1日当たり50分以上70分未満
ニ 要介護3:1日当たり70分以上90分未満
ホ 要介護4:1日当たり90分以上110分未満
ヘ 要介護5:1日当たり110分以上