質疑応答
医療費控除を受ける場合、指定居宅事業者が利用者に対して発行する領収証に、どういった事項が記載されていればいいのか。
医療費控除を受けるための領収証については、次のように取り扱っているところである。
1 記載事項
介護保険法第41条第8項(第53条第4号において準用する場合を含む。)及び同法施行規則第65条(第85条において準用する場合を含む。)に規定する領収証に、医療費控除の対象となる費用の額を記載することとしている。
同法施行規則第65条(領収証)において、指定居宅サービス事業者は、利用者に交付をしなければならない領収証に、支払を受けた費用の額のうち、同法第41条第4項第1号又は第2号に規定する費用の額に係るもの及びその他の費用の額を区分して記載し、当該その他の費用の額についてはそれぞれ個別の費用ごとに区分して記載しなければならないこととされている。
また、同法第41条第4項第1号では、「訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション及び福祉用具貸与、これらの種類ごとに・・・。」と、同項第2号では、「短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護及び特定施設入所生活介護、これらの居宅サービスの種類ごとに・・・。」と規定されている。
したがって、医療費控除の適用を受ける場合の領収証には、介護保険法の規定に基づく記載事項(同項第1号又は第2号に規定する費用の額に係るもの及びその他の費用の額)のほか、「居宅サービス計画を作成した介護支援事業者名」と「医療費控除の対象となる金額」が記載されることとなっている。
(注)
1 平成12年6月8日付課所4−11「介護保険制度下での居宅サービスの対価に係る医療費控除について」(法令解釈通達)参照。
2 指定介護老人福祉施設についても同様(平成12年6月8日付課所4−9「介護保険制度下での指定介護老人福祉施設の施設サービスの対価に係る医療費控除について」(法令解釈通達)参照)。
2 領収証の様式
平成12年6月8日付課所4−11「介護保険制度下での居宅サービスの対価に係る医療費控除について」(法令解釈通達)で示している領収証の様式は、あくまでもひな型であることから、介護保険法の規定に基づく領収証に、「居宅サービス計画を作成した介護支援事業者名」と「医療費控除の対象となる金額」が記載されたものであれば差し支えない。
3 経過的な取扱い
しかし、既に発行した領収証がある場合や介護保険法施行後、当面、上記2に掲げる通達の領収証の様式例に依り難い場合には、指定居宅サービス事業者は、領収証のほかに、利用者が医療費控除を受ける場合の確定申告書に添付又は確定申告の際に提示する書類として、「居宅サービス計画を作成した介護支援事業者名」と「医療費控除の対象となる金額」が記載した書面を交付することとなっている。
(注) 指定介護老人福祉施設の発行する領収証については、上記1(注)2に掲げる通達の領収証の様式を参照することとしている。
したがって、当該様式に依らない別の様式により発行された場合であっても、発行された領収証に医療費控除の対象となる金額が記載されている場合には、当該領収証によることに留意する。
ただし、介護保険制度導入後間もないことから、医療費控除の対象となる金額を追記又は補完することが困難な場合において、領収証に介護費及び食費(標準負担額)が区分して記載されているときには、当該領収証によることとしても差し支えない。なお、この場合の医療費控除の対象となる金額は、介護費及び食費(標準負担額)の合計額の2分の1に相当する金額となることに留意する。
おって、この取扱いは、平成12年分の確定申告限りとする。
(1) 納税者と生計を一にする配偶者や親族(以下「配偶者等」という。)が支払を受ける公的年金等から控除(特別徴収)される介護保険料については、配偶者等自身が支払ったものであり、その納税者の社会保険料控除の対象とならない。
(2) 配偶者等の介護保険料が納付書等により納付(普通徴収)される場合で、納税者がその介護保険料を支払った場合には、国民年金や国民健康保険の保険料などと同様に、その納税者の社会保険料控除の対象となる。
(参考)
介護保険法に規定する第1号被保険者(年齢65歳以上の者をいう。)については、原則として、当該第1号被保険者に対して支払われる公的年金等の支給額から介護保険料が控除されることになっている(平成12年10月から介護保険料を負担)。
なお、公的年金等の支給額が少額であるなどの場合には、納付書等による納付(普通徴収)対象者となることがある。