質疑応答
訪問通所サービスの区分支給限度額の短期入所サービスの利用限度日数への振替えがあった場合の、短期入所生活介護及び短期入所療養介護の居宅サービス費に係る自己負担額は、医療費控除の対象となるのか。
1 居宅サービスの利用に当たっては、訪問通所サービス(訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション及び福祉用具貸与をいう。以下同じ。)区分と短期入所サービス(短期入所生活介護及び短期入所療養介護)区分ごとに、次のような区分支給限度基準額が設定され(平成12年厚生省告示第33号)、それぞれその限度基準額の9割が介護保険の給付対象となる(介護保険法施行令16)。
イ 訪問通所サービス区分に係る区分支給限度基準額
要支援 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 |
:1か月当たり :1か月当たり :1か月当たり :1か月当たり :1か月当たり :1か月当たり |
6,150単位 16,580単位 19,480単位 26,750単位 30,600単位 35,830単位 |
(注) 原則として1単位当たり10円である。
ロ 短期入所サービス区分に係る区分支給限度基準額
要支援 要介護1・2 要介護3・4 要介護5 |
:6か月当たり7日間 :6か月当たり14日間 :6か月当たり21日間 :6か月当たり42日間 |
2 厚生省(現厚生労働省)では利用者のサービス拡大の観点から、短期入所サービスの基盤整備状況が十分であると認められる市(区)町村においては、次のような要件の下で、次のように訪問通所サービス区分に係る区分支給限度基準額の短期入所サービスの利用限度日数への振替えができるように措置しているところである(平成12年厚生省告示第93号)。
[要件]
イ 対象市(区)町村
短期入所サービスの基盤整備状況が十分であると認められる市(区)町村に限り行う。
ロ 対象者
i 利用者が痴呆であることなどにより、同居している家族等の介護が困難な場合や、
ii 同居している家族等が、高齢、疾病であること等を理由として十分な介護ができない場合など、短期入所サービスの利用限度日数を拡大して受けなければ在宅介護の継続が困難であると市(区)町村が認める者
[短期入所サービスへの振り替え]
上記の要件に該当する者については、短期入所サービスの利用限度日数を超過した月以降の各月において、当該各月の訪問通所サービス区分に係る区分支給限度基準額の「使い残し分」の範囲内で、利用限度日数を超えて短期入所サービスを「振り替え利用」できる。
ただし、この「振り替え利用」を行った月については、本来の利用限度日数の利用も含めて、1か月当たり14日間を限度として利用限度日数に加える。
[費用の支払方法]
原則として、サービス利用の際に、利用者はサービス費用の全額を自己負担し、後日、居宅サービス費の9割が介護保険から給付される(償還払方式)。
なお、市(区)町村によっては、通常の居宅サービスと同様に、利用者はサービス費用の1割の自己負担で利用できるようにしているところもある(受領委任方式)。
3 この「振り替え利用」する短期入所サービスについても、居宅サービス計画に含まれることとなった上で、サービスの提供を受けることになることから、「振り替え利用」した居宅サービス費に係る自己負担額(介護保険給付の対象となるものの自己負担額に限る。)は、医療費控除の対象となる。
4 しかし、この「振り替え利用」する短期入所サービスに係るものについては、原則として償還払いとされているため、指定居宅事業者が利用者に対して交付する領収証だけでは、医療費控除の対象となる金額が確認できないことから、領収証のほかに次の書類を確定申告書に添付するか、又は確定申告の際に提示することとされている。
イ 償還払方式の場合
・ 振替措置に係る短期入所サービス利用領収証(償還払方式用)
・ 振替措置決定通知書
ロ 受領委任方式の場合
・ 領収証(法定分の短期入所サービスに係る領収証とは別に交付されるもの)
・ 振替措置に係る短期入所サービス利用証明書
(注) 平成12年11月16日付老振第74号「訪問通所サービスの区分支給限度額の短期入所サービスの利用限度日数への振替えに係る医療費控除の適用について」厚生省通知(平13.1.31付個人課税課情報第5号参照)。