○ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」の一部改正について

措置法第36条の2《特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例》関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

【新設】
(譲渡資産の譲渡に係る対価の額)

36の2−6 措置法第36条の2第1項に規定する「譲渡資産の譲渡に係る対価の額」とは、例えば譲渡協力金、移転料等のような名義のいかんを問わず、その実質において譲渡資産の譲渡の対価たる金額をいうことに留意する。

≪説明≫

 平成22年度税制改正により、「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」については、措置法第36条の2第1項において「譲渡資産の譲渡に係る対価の額が2億円を超えるものを除く。」という譲渡価額要件が付された。
 このような譲渡価額要件が付された趣旨は、税制調査会の「租税特別措置の見直しに関する基本方針」(平成21年11月17日)に従って議論が行われ、譲渡資産の譲渡についても、高額の譲渡益が生じるケースについてまで課税を行わない(課税を繰り延べる)ことは税負担の公平性の観点から問題ではないかといった指摘がある一方で、現下の深刻な経済情勢の下、住宅・不動産の流動化を図るとともに、ライフステージに応じた住替えを引き続き促進するための税制上の支援措置が必要であるといった意見もあり、譲渡資産の譲渡に係る対価の額が2億円を超えるものの排除要件を追加した上で、その適用期限を延長することとされたと説明されている。
 ところで、当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額については、本特例を適用するために売買契約書に記載された不動産の契約金額以外に協力金や移転料等の別名目で金銭の授受が行われるケースなどが想定されるところである。
 このため、本通達では、譲渡価額要件が付された趣旨を踏まえ、譲渡資産の譲渡に係る対価の額とは、名義のいかんを問わず、その実質において譲渡資産の譲渡に係る対価の額をいうことを留意的に明らかにしている。