○ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」の一部改正について

措置法第37条の9の5 《平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例》 関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

【新設】
(生計を一にする親族の事業の用に供している他の土地等)

37の9の5−17 措置法第37条の9の5第1項の規定は、個人事業者が自らその所有する他の土地等を事業の用に供している場合に適用があるのであるが、当該個人事業者と生計を一にする親族が当該個人事業者の所有する他の土地等を事業の用に供している場合には、当該他の土地等は当該個人事業者が自ら事業の用に供しているものとして同項の規定を適用することができるものとする。

≪説明≫

 「平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例」は、個人事業者が自ら事業の用に供しているその所有する他の土地等を譲渡した場合に適用があるが、この他の土地等が事業の用に供されているかどうかの判定は、その所有者の利用状況に基づいて行われることとなる。
 ところで、個人の有する資産がその親族の営む事業の用に供されている例は少なくないことから、所得税法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》では、生計を一にする配偶者その他の親族の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供された資産についてその事業から支払う賃借料等の対価は、その事業に係る所得金額の計算上必要経費に算入せず、その資産の所有者がその資産に係る所得金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その事業を営む者のその事業に係る所得金額の計算上必要経費に算入することとされている。
 また、この規定は、不動産所得等を生ずべき事業を営む者と生計を一にする親族がその有する資産を無償でその事業の用に供している場合においても、その対価の支払があったものとしたならば、同条の規定によりその事業を営む者の事業に係る所得金額の計算上必要経費に算入されることとなる金額は、その事業に係る所得金額の計算上必要経費に算入されることとして取り扱われている(所基通56−1)。
 このことから、本通達は、個人事業者の所有する他の土地等が当該個人事業者以外の者の事業の用に供されている場合であっても、当該個人事業者と生計を一にする親族が事業の用に供している場合には、当該他の土地等は当該個人事業者が自ら事業の用に供しているものとして取り扱うこととするものである。
 なお、他の土地等を所有する個人事業者が当該他の土地等を事業の用に供しているかどうかを判定する場合の事業には、措置法第37条第1項の規定により事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの(事業に準ずるもの)も含まれることとされていること及び生計を一にする親族からのその資産を不動産所得等の事業の用に供していることの対価の支払の有無にかかわらず所得税法第56条が適用されていることなどから、当該他の土地等が事業の用に供されているかどうかの判定上も、当該個人事業者と生計を一にする親族の営む事業に準ずるものの用に供されている他の土地等についても、当該個人事業者にとって事業の用に供されているものとして取り扱うこととしている。

(注) 本通達は、措置法通達33−43及び37−22と同趣旨である。